HOLUX M-241 vs ICONIA TAB A100
まずは『GPSロガーAndroid』の紹介から。名前だけでその機能が想像できるかと思われますが、まさにその通りで、GPSの軌跡を記録してくれるアプリです。
特徴的なのは、地図を使用しないという点。GPSステータス程度は確認できますが、それを地理的に認識できる形で示すことはしてくれません。ひたすら記録するのみです。記録フォーマットはGPXとKML。極めてシンプルであります。
今回はこのアプリにてKMLを記録するよう設定し、『HOLUX M-241』の方は、PCの専用地図ソフトで取り込んだ後、KMLを書き出しました。それらを視覚化するための環境には『Google Maps』を使用しています。
KMLファイルを適当なサーバに保存し、Webブラウザから「http://maps.google.co.jp/maps?q=http://***.*****.***/hoge.kml」などとKMLファイルの場所を指定してあげるだけで軌跡を表示してくれます。とってもお手軽。
で、計測方法ですが、『ICONIA TAB A100』はデイパックの中に放り込み、『HOLUX M-241』は腰にぶら下げ、徒歩にて移動しました。
さて、両者にはどのような違いがあるのでしょうか。テスト前の勝手な予想では、安物とは言え専用機である『HOLUX M-241』の方が良い結果を残すであろうと考えました。けれども、実際には少し異なる結果となりました。
こちらは、南北方向に伸びる直線道路を歩いた時の状況です。ピンク色で示されるのが『HOLUX M-241』、青色で示されるのが内蔵GPSの軌跡となっております。
見ての通り、『HOLUX M-241』の方がズレが大きくなっております。この真っ直ぐな道を1.6kmほど歩いたのですが、この道ではこうした傾向が多く見られました。けれども、内蔵GPSの方は素直に歩いた場所がトレースされており、なかなかに優秀であるように思えます。
念のため補足しておきますと、図では拡大してあるのでとんでもなくズレているように見えてしまいます。が、実際には20m程度のズレなので、徒歩での計測としては及第点と言えるモノではないかと思われます。
一応、他の場所も見てみましょう。こちらは公園内の歩道を歩いた際の軌跡です。それぞれの色は先の例と同一になっております。なお、先の地図とは倍率が異なりますのでご注意を。
歩道の幅はおおよそ4mなので、どちらもそれなりにトレースしてくれております。どちらも合格点をあげて良さそうな結果ですが、こちらでも、若干ですが内蔵GPSの方が正しい軌跡を描いております。
これだけのテストを元に「内蔵GPSの方が高精度」と言い切ることはできませんが、それなりに良好なのは確か。GPSロガーとしても、まったく問題なく使用できます。
ただし、それだけを目的として使用するなら『HOLUX M-241』の方が全然お手軽。ほとんど操作不要で軌跡が記録できるうえ、小型軽量なので気軽に持ち出すことができます。
スマートフォンになると、また話は変わってくるかもしれませんが、AndroidタブレットをGPSロガーに使うのは少々気合が必要かもしれません。もちろん、機能的には問題ないので「専用機は持ってないけど、たまに軌跡データを取りたい」などという場合には有効に機能してくれるでしょう。
***追加情報***
上記テストから2日後にチェックしてみたのですが、上空が開けた良好な場所において、GPSを有効にしてから測位が開始されるまでの時間は、『HOLUX M-241』が約33秒、『ICONIA TAB A100』が約48秒でした。
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