[Ray] CM12版LegacyXperiaを試してみる
もちろん、"Xperia Ray"向けのCyanogenMod純正ROMはリリースされておらず、これをベースとして作成されたLegacyXperiaを使用することになります。
ただし、現在はソースのみ公開中。なので、自分で環境を整えてビルドするか、誰かがROMとして公開してくれるのを待つしかありません。※追記参照
ということで、今回は日本の有志がビルドしてくれたこちらを使用させていただきました。これを使えば、一般的なカスタムROMと同等の手法でインストールが可能。ではあるのですが、少々注意が必要な点もあったりするので、その辺を簡単にご紹介します。
まずは基本となる環境ですが、当方ではCM11がインストールされた端末を使用しました。他の環境でも大きな差異はないと思われますが、一応念のため。
インストールの際には、ROM本体およびLollipop対応Gappsに加え、microSDカードが必須となります。しかも、microSDカードにはExt4の第2パーティションを作っておかなければなりません。
その第2パーティションは/dataとして使用されます。通常、内部ストレージに作成される/dataをmicroSDカード上に逃がすことで容量不足を補うという仕組み。
このため、読み書きの速いmicroSDカードを使うのが吉です。とは言え、"Xperia Ray"はUHS-I以降の規格をサポートしていないためClass10のモノで十分かと思われます。
こちらは100個ほどアプリをインストールした状態の図ですが、/dataでは1.1GBほど使用されています。という訳で、第2パーティションを切る際にはこの辺の値を考慮して容量を決定するのがよろしいかもしれません。
実際のインストール手順ですが、CM11を経験済みの方にはそのままのやり方でOK。まずはダウンロードしたROMから"boot.img"を取り出し、ROM本体とGappsをSDcard(外部ストレージ)の適当な場所に保存します。
その後、取り出しておいた"boot.img"を"fastboot flash boot boot.img"するなどして端末に書き込み、無事完了したらリカバリモードで再起動。すると、"Cyanogen Recovery"が起動します。
お馴染みのCWM(ClockWorkMod)ではないため面食らいますが操作は簡単。タッチ操作またはボリュームボタン(選択)とホームボタン(決定)で"Apply Update"に進んでターゲットとなるファイルを選べばOKです。
ROMとGappsをインストールしたらシステムを通常起動します。ブートアニメもさることながら、"Androidをアップグレードしています..."との合わせ技でかなりの時間を要しますのでご注意を。
なお、microSDカードにExt4の第2パーティションがあるなら、CM11への上書きでもインストールは可能です。当方も最初はそれでやりました。CM11時代に"Mounts2SD"を使って第2パーティションへと逃していたアプリがそのまま使えたりして便利ではあったのですが...。
通知のサウンドに音楽ファイルが割り当てられるなど、システム設定がシッチャカメッチャカな感じに。なので、結局はフルワイプ後に新規システムとして再インストールしました。
実際に使ってみての感想ですが、結構まともに動作する雰囲気です。表面をさらった程度ですが、Wi-Fiはもちろん、BluetoothやGPSも動作しました。端末のパワー不足から若干のモッサリ感はあるものの、慣れれば気にならないレベル。
ただ、決定的にマズイのがモバイルネットワークです。SIMを挿しても通信不能。
こちらは、ロック画面とホームのステータスバー付近を拡大した図ですが、ロック画面ではNTT DOCOMOと表示されSIMが認識されていることをうかがわせます。
が、ホームにてWi-FiをOFFにするとアンテナピクトに"!"マークが付加されます。
もちろん、該当SIMは完動品であり、この端末に他のSIMを挿した場合も同様な症状になることは確認済み。また、CM11上書きと新規インストールの両システムで試しましたが結果は同じでした。
そんなこんなで、Wi-Fi運用で遊ぶなら問題はありませんが、実利用はまだ厳しい感じがあります。逆に、モバイルネットワークの問題が解決すれば、第一線に復帰するなんて可能性も。
そこまで言い切るのは大げさかもしれませんが、2011年モデルという化石レベルの端末でLollipopが動作するのは愉快そのもの。余っている"Xperia Ray"があるのなら、一度試してみる価値はあると思われます。
***Edit***
LegacyXperiaとしては公式となるCM12版(LX12)が公開されました。
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