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[Android] j5create JUH660を試してみる

2015年4月25日  2015年4月25日 
デザインはよろしい感じです
AOA(Android Open Accessory)とUSB OTGの両モードに対応するAndroid専用の2ポートUSBハブ"j5create JUH660"。興味があったのでサクッと買ってみました。

AOAというのは、AndroidとUSB機器を連携させるための規格。AOA1.0は結構昔からサポートされておりますが、"JUH660"はAOA2.0対応のためAndroid4.1以降が必要となります。

また、USB OTGもAndroidとUSB機器を連携させるための規格ですが、こちらはUSBポートに5Vを給電するというハード的な実装が必要となるため、対応する端末は限られます。内部的な仕組みの違いとしては、AOAはUSB機器側がホストになるのに対し、USB OTGはAndroid側がホストになる、というのもあります。

AOAではUSB機器側にホスト機能を内蔵する必要があるため、USB機器なら何でもOKという訳ではありません。そこで「ではなぜ"JUH660"に接続した普通のキーボードとマウスがAOAで使えるの?」という疑問が湧いてきます。

これは勝手な想像ですが、"JUH660"は接続されたUSB機器を取り込み、自らが各機能を内包したAOA対応デバイスとして振る舞うのではないかと思われます。

概要的な話はこの辺にして、実際にモノを見てみます。外装は梨地加工のアルミニウム合金と樹脂が採用されており、それなりの高級感があります。四角柱なフォルムは少々かさばる感じもありますが、USBハブとしてはコンパクトであるように思えます。

給電ポートと切り替えスイッチ
こちらはインターフェース部分の拡大写真です。向かって左側にあるUSB micro Bポートが電源用の端子。USB-ACアダプタやモバイルバッテリが使用可能です。

USB OTGモードでは消費電力の大きなデバイスが接続される可能性があり、AOAモードではAndroidの充電にも使用されるため、それなりに出力の大きな電源を使用した方がよろしいかもしれません。

電源ポートの隣にあるのがAOAモードとUSB OTGモードの切り替えスイッチ。希望するモードに合わせてから端末に接続すれば、そのモードで機能します。が、これとは別にソフトウェア的なモード検出機能も用意されております。

例えば、USB OTGのみに対応する端末に接続した場合、自動でOTGモードになったり、USB OTG対応端末にAOA接続している状態でUSBメモリを挿すと自動的にUSB OTGモードになったりと結構インテリジェンスに動作します。

動作状態は、本体上面の控えめなLEDインジケータで確認可能。AOAモードでは緑色に、USB OTGモードではオレンジ色に、どちらのモードでも接続できないエラー状態の場合には赤色で点灯します。

ということで軽くテストなど。機材には、ハード的にもソフト的にもUSB OTGに対応した"Nexus7(2012)改"、Y字型ケーブルでの給電が必須な変則的OTG対応機"Nexus4改"、純正のAndroid5.1をインストールした"Nexus4"の3台を用意。各モードにおける動作状況は以下のような雰囲気となりました。

  Nexus7改 Nexus4 Nexus4改
AOAモード ×
USB OTGモード × ×
電流値(nomal) 320mA 517mA 510mA
電流値(fast charge) 519mA 519mA 510mA

各モードの○×が動作状況を示すアイコンとなっております。もちろん、○が動作したモノで、×が動作しなかったモノ。

電流値は電源にしたモバイルバッテリの出力ポートにUSBメーターを接続し、その数値を記録しました。"JUH660"では端末の充電電流を1Aにすることができる高速充電用ファームウェアが用意されており、これを適用したのが"電流値(fast charge)"の値となっております。

が、その効果ははっきりとせず。今回試した中では、かろうじてノーマルモードの"Nexus7(2012)改"で低すぎた電流値が通常レベルになっただけでした。

なお、"Nexus4改"ではいずれのモードも動作せず、AOAモードでの充電だけが可能な状態でした。一方、公式的にはUSB OTGに対応しない素の"Nexus4"は、期待どおりと言うか素直な結果となっています。

AOAモードにおける通知の様子
ちなみに、こちらがAOAモードで接続した際の通知を引っ張りだしてみた図。

この端末はUSBデバッグがONになっているため、上段にはその通知も表示されております。おかげで、AndroidがクライアントとしてUSB接続していることがわかります。

そして、下段の通知はUSBアクセサリが接続された旨の通知。今までAOAを使ったことがなかったので初めて見ました。

AOAモードの対応機器はキーボードとマウスのみ、というのが公式なアナウンスな訳ですが、モノは試しとUSBメモリを接続してみるもやはり動作せず。

キーボード/マウスの親戚筋に当たるUSB接続タイプのゲームパッドですら動作しません。AOAモードでは本当にキーボードとマウスしか動作しないようです。

まだ半日ほどしか使用しておらず現時点での感想ではありますが。と前置きしつつ、USB OTGに対応したセルフパワーのUSBハブとしては普通に使えるので、その方向を目指すならよろしいかもしれません。逆に、本製品のウリであるAOAモードは正直微妙な感じ。

USBキーボード/マウスによほどの思い入れがあるなら別ですが、そうでないのならBluetoothのUSBキーボード/マウスを使った方が便利で快適なように思えます。

そんな感じの"JUH660"ですが、コスト的にも微妙な雰囲気。例えば楽天市場ならこんな感じ、Amazon.co.jpならこんな感じなので、自分のニーズに対するコストパフォーマンスをよく考える必要がありそうです。



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