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USB PDなモバイルバッテリ"ZMI QB820"を試してみる

2017年6月18日  2019年7月14日 
約40Wでモリモリ蓄電してます
USB PD(Power Delivery)をサポートしたモバイルバッテリ"ZMI QB820"を購入してみました。

本体には入出力兼用のUSB Type-C×1および出力用USB A×2が搭載されており、USB PD以外の充電技術としてQC2.0/3.0、Apple方式、HUAWEI方式、Samsung方式がサポートされます。

容量の表現は少々難解です。製品名的には20000mAhである様子。これは、1セル3350mAhの"LGEBF1L1865"を6本使っているので、その合計といった感じ? 実のところよくわかりません。スペック的には、USB Aの出力である5V換算では12000mAhとなり、内部構造的には10000mAh(7.2V)の72Whになるのだそうな。

ちゅるんとした筐体は樹脂チックに見えますが、実はアルミニウム合金製。樹脂フレームをアルミパネルで挟んだ構造になっております。完璧とは言えないものの、外装の加工精度はそれなりに高め。

そのアルミパネルは梨地仕上げ+アルマイト処理となっており、なかなかに美しい感じで仕上げられております。色は落ち着きのあるブルーグレー。個人的にはSony製品を彷彿とさせる色と質感でありました。

円筒形セルを使用しているのもあって、フォルムは全体的にボリューミーであるのに加え、重量も約400gとヘビー級。いわゆるモバイルバッテリというよりは、USB PDに対応したPCやタブレットなどの可搬型電源と考えるのが良さそうな雰囲気です。

USB PDの出力は、5V/9V/12V/15V/20Vがサポートされております。最大出力は40W。PDO(Power Data Object)はこんな感じになっております。

また、入力にもUSB PDが使えるため、対応する充電器を使用すれば蓄電の高速化が可能。最大45Wの入力に対応し、その場合には3.8時間で蓄電が完了するのだとか(カタログスペック)。

実際、ウチでも最大約40Wでの蓄電を確認しました。が、充電器もバッテリもホカホカになるため、急ぎでなければ一般的なUSB-ACアダプタを使ってゆっくり充電するのがよろしいかもしれません。

ここでマニアックな話を少々。"ZMI QB820"のUSB Type-CポートはCold Socketとなっており、相手方のデバイスが接続されて初めて電圧が印加されます。また、E-Marker搭載ケーブルでも問題なく動作するため、CCは個別にプルアップされている様子。

いずれもUSB Type-Cの仕様に沿った設計であり、その意味においては比較的マトモなUSB Type-C搭載デバイスであると言えそうです。

TVモードの電源にも使用可能
そんなこんなで、実際にNintendo Switchで使ってみることに。タブレット状態(テーブルモード/携帯モード)で純正の電源と同等に充電できるのはもちろん、ドックにセットした状態(TVモード)の電源としても普通に動作します。

USB PDなACアダプタですらTVモードでは使えない場合があるというのに、モバイルバッテリで実現してしまうとは...。

あくまで妄想の話ですが、5V給電で動作するモバイル仕様のHDMIモニタと組み合わせれば、"ZMI QB820"のみでNintendo Switchとモニタに給電でき、近くに電源のない場所でもTVモードが楽しめたりする訳です。

もうひとつ、"ZMI QB820"にはユニークな機能が用意されており、残量確認ボタンをダブルクリックすると2ポートのUSBハブに変身します。しかも、セルフパワー用の巨大なバッテリを内蔵したUSBハブ。

2つあるUSB Aポートには"ZMI QB820"の内蔵バッテリからバスパワーが供給されるため、ホストデバイスの負荷を最小限に抑えることができます。

もちろん、Nintendo Switchでも使用可能。マニュアルによると、ホストデバイスにも給電されるらしいのですが、ウチの場合はNintento Switchから"ZMI QB820"に対して5V/500mAが供給されてしまいます。ここだけは少し残念。

また、USBハブモードでは自動電源OFF(充電時に電流の減少を検知して給電を停止する機能)は無効となりますが、逆に微小な電流しか流れないデバイス(例えばBluetoothヘッドセットなど)の充電に使用することができます。

そんな感じのアイテムでありました。Nintendo Switchのユーザとっては、かなり魅力的な仕様であると思われます。が、残念なことに日本では発売されておらず、入手方法はリスクを負っての海外通販のみ。

Xiaomiの正規代理店もできたことだし(ZMIはXiaomiの関連企業)、日本での発売を期待したいところです。

***Edit***
最近ではAliExpressでも購入できたりするようです。

***Edit2***
今更な感じもあったりしますが、日本の代理店であるTJCから"QB820"が発売されるようです。興味のある方はチェックしてみてくだされ。(2019年7月追記)


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コメント

匿名 さんのコメント…
はじめまして。質問があるのですが、このZMI QB820はどちらで購入されたのでしょうか?
前々から気にはなっていたのですが、バッテリー関連は配送不可となっているショップが多く困っています。
WHMaster さんの投稿…
モノはgeekbuying.comで購入したのですが...今チェックしてみたら扱いがなくなっておりました。

当方が注文した際も「ホントに届くのかね?」と半信半疑だった訳ですが、とりあえず届きました。どんな裏技があるのかと期待していたのですが、普通に国際書留。まさに運が良かっただけなのかも。

そんな感じですので、Xiaomiの代理店になったTJCが扱ってくれることを期待したいところです。

まこぞう さんのコメント…
こんにちは。

本文にあった
あくまで妄想の話ですが、5V給電で動作するモバイル仕様のHDMIモニタと組み合わせれば、"ZMI QB820"のみでNintendo Switchとモニタに給電でき、近くに電源のない場所でもTVモードが楽しめたりする訳です。

を実は今試行錯誤中です。
普通のモバイルバッテリーはtvモードではつかず。
usbpd対応のanker社のモバイルバッテリーはスイッチのhdmi接続時は☓とあり、断念。
ググってこちらにたどり着きました。

本当に紹介されているもので動作しているのでしょうか?
だとしたら本当に助かります。



WHMaster さんの投稿…
ZMI QB820がNintendo SwitchのTVモードの電源として使えるのは確認済みです。が、モバイルモニタうんぬんに関しては、記述のとおり妄想であり、動作を確認した訳ではありません。

そうしたモニタが手元にあれば実際に試すのですが、いまのところは購入の予定もなく、その機会は訪れないかもしれません。
まこぞう さんのコメント…
こんばんは。コメントありがとうございます。
モバイルモニタはgechic1101で動作確認済みです。

モバイルモニタ+モバイルバッテリー+スイッチのみの運用を夢見ています。
ドックは邪魔なのでc-force003というアダプターを導入済み。
あとはqb820を買う勇気のみ。

あ、確認されたのはドックにつないでのことですよね?
WHMaster さんの投稿…
動作を確認したのは純正ドックのみです。先日"Melopow M002"という非純正ドックを購入したのですが、こちらに関しては近いうちに試してみようかと思います。

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