[Nintendo Switch] Bluetoothオーディオを試してみる
2021年9月15日に配信されたNintendo Switchのシステムアップデート"13.0.0"。目玉機能は、Bluetoothオーディオの実装でしょう。
これにより、ワイヤレスヘッドセット/スピーカーなどを使ってNintendo Switchの音声が聞けるようになりました。
もちろん、Blutoothアダプタなどの特別な装置は不要。送信側はNintendo Switch本体のみで良く、あとはBluetooth対応ヘッドセット/スピーカーを用意するだけ。もちろん手持ちのモノでも大丈夫です。
ただ、ワイヤレスヘッドホンなどのマイクが使用できなかったり、ワイヤレスコントローラの接続が2個までに限られるなど、少々の制限もあったりします。詳しくは公式ページのサポートページをご覧いただけますれば。
で、ゲーマーとして気になるのが音声コーデックの仕様。上記サポートページによるとSBCのみの対応となっております。SBCはスタンダードなBluetoothの音声コーデックであり、ほぼすべてのBluetoothオーディオデバイスでサポートされています。
Bluetoothに対応したヘッドセット/スピーカーであれば、問題なく使えるというのは大きなメリットですが、規格そのものが古く、音声の遅延も大きいというデメリットがあります。
例えばaptX Low Latencyというコーデックでは低遅延をウリにしており、音声の遅延は40ms(0.04秒)未満。音声の遅延を感じるのが難しいレベルです。一方のSBCは220ms(0.22秒)前後となっており、動画などを見るとあからさまに音声の遅延がわかります。
なので、音声でタイミングを取ることもあるアクション系ゲームにおいては致命的な問題。ムービーシーンにおいても口の動きと音声が同期せず、気持ち悪さを感じることがあるかもしれません。
で、ゲーム機であるNintendo Switchなのだから、何かの秘策やサプライズがあるのかも...ってな淡い期待を持って実際に試してました。
Nintendo Switchの音声を無線化するには、設定メニューに新設された"Bluetoothオーディオ"を使用します。
画面中央にある"登録する"がいわゆる"ペアリング"を実施するためのボタンとなっております。
まずは接続したいヘッドセット/スピーカーなどのデバイスをペリング待ち状態にしてから"登録する"ボタンをタップ。するとペアリングが開始され、ほどなく接続が完了します。
ペアリング後は画面上にデバイス名がリストとして現れます。上記スクリーンショットでは"AUKEY EP-B40"がペアリング済みの状態。なお、実際の接続時にはデバイス名の横に緑色のチェックマークが付きます。
なお、ペアリングは最初の1回だけでOK。次回からはペアリング済みデバイスの電源をONにするだけでNintendo Switchとの接続が完了します。
で、遅延の様子をゲームで確かめるべく設定メニューを抜けようとしたのですが...その時点ですでに遅延がハッキリと認識できてしまいました。
Nintendo Switchのインターフェースでは項目を移動するたびにカチャ!と音が鳴るのですが、それがワンテンポ遅れます。まさにSBCのそれ。
念のため、他のデバイスで試してみましたが状況は変わらず。さらに、使用中のコーデックを示すインジケータ付きのレシーバを使ってみましたが、結果はSBCと出ました。
期待した秘策やサプライズはまったくなく、仕様通りのSBC接続のみ、であることがわかりました。「可能性の拡大としては歓迎できるけど、ゲーミングデバイスとしてはナシでしょ」というのが正直な感想。
そんなこんなで、Nintendo Switchの音声を無線化する施策しては、これまでと同様にCreative BT-W2/BT-W3を使い続けることになるのでした。
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