MP3Gain(AACGain)をコマンドラインで使ってみる
しかもなぜか、Office Personal 2007のそれ。何回かキャンセルボタンを押すと、どうにかMP3Gainが起動しました。
ショートカットのリンクが壊れたのかと思いましたが、どうやらMP3Gainのインターフェースである"MP3GainGUI.exe"が必要とするライブラリ的なモノが不足しているらしく、それをインストールしようとしている様子。
ところが、Office Personal 2007のCD-ROMを挿入してもファイルが見つからないと言い張ってインストールが進みません。もう10年も前のソフトであるし、変にいじってヤブヘビになるより、ここはスルーした方がよさ気な雰囲気です。
それでは、ということでランタイム付きなフルバージョンのMP3Gainをインストールしてみましたが状況は変わらず。念のためVisualBasicのランタイムのみをインストールしてみるも改善がみられません。
仕方がないので他のソフトを当たってみることに。MP3Gainをエンジンとして使うQMP3Gainなるソフトは発見できたのですが、"aacgain.exe"に対応させることができません。いよいよ詰みかと思ったのですが...。
いつもMP3Gainで行っている作業としては、デフォルト値の89dbでトラックゲインをかけるのみ。しかも、MP3Gainの本体である"mp3gain.exe"はそもそもコマンドラインで操作するプログラムです。「ならコマンドプロンプトで実行すればいんじゃね?」という考えに至れり。
そんな訳で、Windowsのコマンドプロンプトを起動して以下のコマンドを実行すると、デフォルト設定の89dbでトラックゲインが適用されるようです。
C:\"Program Files"\MP3Gain\mp3gain.exe /r test.m4a
ちなみに"/r"は、自動でトラックゲインを適用するというオプション。"test.m4a"というのはテストに使用したファイル名です。パスを通せば、もう少しタイピングを減らすことはできそうですが、毎回ポチポチと入力するのはちと面倒。
そこで、バッチファイルで対処してみることに。これならばドラッグ&ドロップでの変換が可能となります。バッチファイルの中身は以下のとおり。
@echo off C:\"Program Files"\MP3Gain\mp3gain.exe /r /p %* pause
先ほどよりオプションが増えておりますが、"/p"というのは対象となるファイルのタイムスタンプを変更しない機能で、その後ろにある"%*"は引数。ここには選択したファイル名が格納され、複数のファイルをまとめてドラッグ&ドロップした場合でも次々とコマンドを実行してくれます。
バッチファイルの名称はテキトーに。もちろん拡張子は".bat"でなければなりません。あとは、デスクトップなどアクセスしやすい場所にこのバッチファイルを置いておき、必要が生じた場合に対象となる楽曲ファイルをここにドラッグ&ドロップすればOK。
このバッチファイルを用いていくつかの楽曲ファイルを変換してみましたが、結果は上々。単一ファイルはもちろん、複数ファイルを選択してのドラッグ&ドロップでも問題なく機能しました。
で、ふと「どうせならマウスの右クリックの"送る"メニューに登録しておけばもっとお手軽じゃね?」と気付き、その方向で対処してみることに。
その"送る"メニューですが、実は結構簡単に登録できます。エクスプローラーを開いてアドレスバーに"shell:sendto"と入力してEnterを押すと、"SendTo"なるフォルダーが表示されます。これが"送る"メニューの本体。ここにショートカットやバッチファイルを置くことで登録されます。
今回作成した変換用のバッチファイルを編集する必要はありません。そのまま"SendTo"にコピーするだけ。
使い方は説明するまでもありませんが、楽曲ファイル(複数可)を選択してマウスの右ボタンをクリックし、"送る"メニュー内にある変換用のバッチファイルを指定すれば指定したファイルがMP3Gainによって処理されます。
実際に試してみましたが、とりあえず問題はない様子。毎回細く設定を変更するような使い方には向きませんが、アバウトに調整できればOKな感じであれば、非常にお手軽です。
Windows10でMP3Gainが動かなくなってしまったとお嘆きの方にとって、何かの参考になりますれば。
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