HDMIスプリッタを試してみる
アルミ合金製の筐体はヘアライン加工+アルマイト処理で仕上げられておりなかなかに高級感があります。意匠のカケラもないロゴで台無しになっていたりしますが。
また、インジケータはDC5V INが赤LED、HDMI IN/OUT1/OUT2が緑LEDとなっており、点灯時にも眩しくなさそうな雰囲気。そして最も重要なのは、電源端子がUSB micro B端子になっている点です。
元からあったHDMIスプリッタ(以降、現行機と呼びます)では、よくあるピンジャックが採用されております。それ自体大きな問題では無いのですが、うちの場合の運用方法では少々都合が悪かったりする訳で。
というのも、ウチの場合PS3の出力を分配するためにHDMIスプリッタを使用しており、必要となるのはPS3が起動している時間の一部のみ。しかしながら、ACアダプタを接続するとHDMIスプリッタは未使用時でも電力を消費してしまいます。
これでは気分的にも省エネ的にもよろしくありません。このため、使用するたびにACアダプタを抜き挿しするというローテクな手法を採用しておりました。実際これがかなり面倒。
現行機はHDMIのバスパワーでも動作するため、基本的に電源は不要なのですが、万一の動作不良があるとマズイので使用時には電源を接続するようにしております。フェイルセーフというか心配性というか、そんな感覚。
で、話を環境に戻しますと、そのPS3には電源連動型のセルフパワーUSBハブがつながっており、外付けHDDの電源制御に使っております。
このUSBハブから電源を取れば、PS3を起動した時だけHDMIスプリッタの電源がONとなり、いちいちACアダプタを抜き挿しする必要がなくなる。というナイスなソリューションであります。
ちなみに、こちらが現行機(左)と新型機(右)のツーショット。電池はサイズ比較用です。電源端子以外にも、大きさであったり仕上げであったりといった点が異なっております。
1入力2出力のHDMIスプリッタとしては、ほぼ同等の機能となっているのですが、ほんの僅か異なる部分があります。その辺はまたのちほど。
ということで、早速接続してみます。まずはバスパワー動作に関して。PS3のHDMIポートに接続した場合、とりあえず動作するようです。短時間試しただけなので、断言はできませんが。
次は電源を接続してのテスト。いったんすべての機器の電源を落として再びPS3の電源をONにすると、DC5V INのインジケータが点灯。少し遅れてHDMIの信号が流れてくるとHDMI INのインジケータが点灯します。
引き続き出力機器の電源をONにすると、OUT1/OUT2のインジケータがそれぞれ点灯し、PS3の画面が表示されます。まったくもって正常な動作。今度はシャットダウンのテストです。
PS3のメニューから終了を選ぶとHDMI信号が途切れてOUT1/OUT2のインジケータが消灯。PS3が完全に停止するとUSBハブも動作を停止してDC5V INのインジケータが消えます。当たり前の話ですが、想定通りの結果には少しうれしくなります。
そこで、ふと気になったのがHDMIスプリッタが動作するために必要な電力。電源はUSB-ACアダプタではなく普通のUSBハブなので、どの程度電力が必要か知っておいて損はありません。
電流値を調べてみると、OUT1/OUT2の両方を使っても0.26Aとなり、USBポートの仕様的にはまったく問題ないことが判明。ちなみに片方のOUTだけなら0.22Aでした。
なお、新型機にはこの手の製品にありがちな、"HDCPをアレする"おまけ機能は搭載されておりません。HDCP信号はそのままスルーされ、OUT1/OUT2に接続された機器がHDCP対応なら正常に表示され、非対応なら映りません。これが、現行機と新型機における唯一の機能的相違です。
上記おまけ機能に期待する場合にはハズレ商品となりますが、単に1入力2出力のHDMIスプリッタとしては便利に使えます。本体はコンパクトで、仕上げも良好な感じ。そして、何よりお値打ちです。
さらに、USBポートからの給電が可能なので、近くに使用可能なUSBポートがあるなら、ACアダプタで貴重なコンセントをひとつ消費してしまう心配がありません。
加えて、電源OFF時にバスパワーがOFFになる仕様のUSBポートならば、その機器と連動してHDMIスプリッタの電源を自動制御することもできる訳です。
ということで、純粋なHDMIスプリッタが欲しいユーザにはオススメできるアイテムかと思われます。
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