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aptX Low Latencyを試してみる?

2015年6月17日  2015年6月27日 
ワイヤレス環境を再構築
以前は深夜のテレビ視聴用としてサラウンドプロセッサ+ワイヤレスヘッドホンなシステムを使っていたのですが、経年劣化によりヘッドホンを破棄して以来、サラウンドプロセッサの出力端子に有線ヘッドホンを接続して使用しておりました。

それはそれで普通に使えていたのですが、やはりワイヤレスの方が快適です。

けれども、製品はずいぶん前にディスコンとなっているため、同じ環境に戻すのは不可能。システムをまるごと新しくするのもひとつの方法ではありますが、今回は汎用性が高く、いろいろと使い回すことができるBluetoothヘッドホンを試してみることに。

サラウンドプロセッサ自体は気に入っているので、ワイヤレス部分をBluetoothに置き換える形で使用します。異なるシステムを組み合わせるため、電源投入や接続など使用時の手間は増えてしまいますが、利便性とのトレードオフということで目をつぶることにします。

それよりも大きな問題となるのが、Bluetoothの遅延。入出力の間に時間差が生じる現象です。例えばBluetoothヘッドホンでドラマやニュースなどを視聴する場合、口の動きと声がシンクロしないため非常に気持ち悪い状態となります。

これを解決できるかもしれないのがCSR社の"aptX Low Latency"という技術。高音質で有名なBluetooth向けの音声コーデック"aptX"の別バージョンであり、遅延が少なくなるようデザインされております。これならテレビも快適に楽しめそう。

ところがどうした訳か"aptX Low Latency"対応をウリにした製品はあまり見かけません。かろうじてロジテックの"LBT-TVOH03ABK"は対応製品であることが明記されておりましたので、これを買ってみました。

そんなこんなで簡単なレビューなど。ヘッドホンを頭に乗せてみて最初に感じたのはフィット感がいまひとつな点。イヤーパッドとバンドの頭頂部にはクッションが装備されているのですが、いずれも表面がツルツルの合皮が採用されているため、妙に滑りやすくなっております。

また、イヤーパッドも耳に乗っかるだけなのでホールド感もいまひとつな感じ。部屋でおとなしくテレビを見ている分には問題ありませんが、フィットネスのお供には不向きであると思われます。

バッテリ非搭載で据え置き設置に最適
パッケージにはBluetoothトランスミッター(送信機)も同梱されます。ステレオミニプラグとの比較でもわかるとおりサイズは非常にコンパクト。

電源にはUSBのバスパワーを使用するのですが、受け側の端子にはDCジャックが使用されております。筐体サイズの問題であるとは思われますが、ここは汎用性の高いmicroUSBを採用して欲しかったところ。

DCジャック自体は規格サイズ(EIAJ#1)であり、別売のケーブルとしてはこの辺が使用可能。ちなみに、消費電力は0.15W以下と非常に少ないため、利用頻度が高いなら常時通電で運用するのもよろしいかと。

で、このトランスミッターとヘッドホンを組み合わせて実際にテレビのニュースを視聴してみたのですが、どうも様子が変です。ほんの僅かに音声が遅れている感じ。「Low Latency版でもこんなもんなのかなぁ?」と思い、テレビの音声を同時に流してみると、はっきりとした遅延が確認できました。

そこで、遅延時間を計測してみることに。その方法としては、ソース機器の出力を2つに分け、一方はケーブルで、もう一方はBluetooth経由で伝送してPCで録音。2つの音の時間差を見るというモノです。

Bluetoothの方はヘッドホンから音声として出力されるので、モノラルマイクによって電気信号に戻します。で、ケーブルとBluetooth経由の両ラインからLチャネルを取り出してステレオミニプラグのL/Rに割り当てる自作ケーブルを使い、最終的にPCのマイク端子に接続しました。

下部の緑線が選択範囲の時間(=遅延)
その結果がこちら。"aptX Low Latency"とは思えないほど大きな遅延が計測されました。ヘッドホンにはLEDインジケータが用意されており、少なくとも"aptX"で接続されているのは確認済み。

何かの間違いがあるかもしれないので、ペアリングのやり直しや初期化、電源のON/OFFなど試してみましたが、いずれも結果は変わらず。

さらに、「仕様を満たさない製品である」として1回交換してもらったのですが、状況が変わることはありませんでした。2回ハズレを引く可能性もない訳ではありませんが、ウチの環境においてはこれが通常の状態であると考えるのが妥当でしょう。何か釈然としないので、この件に関しては調査を続行したいと思います。

確かに遅延のみに注目すれば微妙な音声の遅れを感じますが、通常のテレビ視聴においてはそんな見方をすることはありません。最初に若干の違和感を感じたのも、意識がそちらに向いていたためであると思われます。

普通にテレビを楽しむのであればギリギリで我慢できるレベルなので、遅延を気にしなければ何とかなりそう。ものすごく言い訳チックになっておりますが、そのレベルの遅延であることは間違いありません。だから誰も騒がないのかなぁ...などと邪推してみたり。

ちなみに、音に関してですが、おとなしいというか薄っぺらな雰囲気。これといった味付けもなく、低音にもパンチがありません。逆に、とんがった部分がないため、長時間使用した場合でも聞き疲れは少なそうです。

そんな感じの"LBT-TVOH03ABK"ですが、2012年にリリースされたプロダクトなので結構な値頃感が出てきました。例えば楽天市場ならこんな感じ、Amazon.co.jpならこんな感じ。なお、似たような名前の"LBT-AVOH03ABK"はヘッドホン単体での販売なのでご注意を。

遅延の削減効果に関しては微妙ですが、"aptX"をサポートしたBluetoothヘッドホンとトランスミッターのセットとして見れば、それなりによろしい製品なのではないかと思われます。

***Edit***
"aptX Low Latency"に関する後日談を投稿しました。こちらからどうぞ。



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