Creative BT-W2を試してみる
音声の遅延を感じることなく映像コンテンツが楽しめるのは精神衛生上よろしく、今度はPCの周辺でも似たような環境を構築してみることに。
ということで、こんなBluetoothアダプタを購入してみました。モノはクリエイティブメディアの"BT-W2"という製品。これがユニークなのは、USBオーディオをBluetoothでワイヤレス伝送するという点。一般的なBluetoothアダプタとは仕組みや動作が大きく異なります。
文字で表現すると若干意味不明になりますが、ハードウェアのイメージとしてはUSBオーディオデバイス+Bluetoothトランシーバという構成になっており、対PC的にはUSBオーディオデバイスとして振る舞い、対Bluetoothデバイス的にはBluetoothホストアダプタとして振る舞います。
この方式の大きなメリットは、ドライバのインストールが不要となる点。多くのシステムでは標準でUSBオーディオがサポート対象となっており、ドライバも初めから用意されております。また、特殊なドライバを必要としないため、さまざまな環境に対応できるのもポイントです。
加えて、Bluetoothスタックを変更する必要がないため、この辺に起因するトラブルが発生しにくくなっております。すでにBluetoothを搭載しているPCで使用したいなんて場合には結構重要かも。
逆にデメリットと言えるのは、対応機器がヘッドホン(イヤホン)やスピーカーなどのBluetoothオーディオデバイスのみに限定される点。サポート外のBluetoothデバイスはどうあがいても使用できません。
Bluetooth関連の動作に関しては"BT-W2"の内部で処理が完結するブラックボックス状態となっており、PC側から制御することができないためです。
少々特殊な扱いとなるのがヘッドセットのマイク。"FastStream"コーデックを搭載したヘッドセットでのみマイクが有効となります。"FastStream"非対応ヘッドセットの場合、単なるオーディオ出力用となりますのでご注意を。
という訳で実際に使ってみました。出力用のデバイスには、冒頭のリンクにあるLBT-TVOH03ABKのヘッドセットを使用。もちろん、aptX Low Latency対応であることは確認済みです。
"BT-W2"をPCに接続すると標準ドライバが読み込まれてすぐに使用可能となります。Mac OSの場合はサウンド出力デバイスを変更する必要があるのだとか。後は"BT-W2"の後端にあるボタンを長押ししてペアリングモードに入り、出力側のデバイスをペアリングすれば準備は完了です。
ペアリング情報は"BT-W2"の内部に保持されるため、例えばデスクトップPCからノートPCに差し替えたりした場合でも、同じ出力装置を使用する限りペアリングは不要。再接続の操作だけで使用可能となります。
遅延に関してはまったく気になりません。さすがaptX Low Latency。状況的に厳しいため計測はしておりませんが、経験則的に他のaptX Low Latency接続と同様、数十ミリ秒レベルの遅延であると思われます。
電波の飛びもよろしい感じで、リビングの卓上にPCを置いて数メートル先のトイレに入っても問題なく聞こえました。また、AVRCP(Bluetooth remote control)に関しては普通に機能し、ヘッドセットのボタン操作で一時停止やスキップなどの操作が可能でした。
続いてはサポート外デバイスでの動作に関して。"BT-W2"はUSBオーディオデバイスとして動作するので、これに対応した機器ならば基本的にaptX Low Latency化が可能となるハズです。
ということで、ウチのNexus7(2012)にて試してみました。結果的にはバッチリOK。OTGアダプタを噛ませた"BT-W2"を挿し込み、ヘッドセットの接続操作を行うだけで音が聞こえてきました。
出力側は先程と同じLBT-TVOH03ABKのヘッドセットを使用しましたので、遅延の方も問題ナシ。YouTubeの動画を快適に楽しむことができました。
ただし、Androidの場合、モノによって状況が変わってきますのでご注意くだされ。少なくとも端末がUSB OTGをサポートしていること、システムがUSBオーディオをサポートしていること、の2点をクリアする必要があります。
ついでと言ってはアレですが、サポート外デバイスでもうひとつ。"BT-W2"のウリのひとつとしてPS4対応が掲げられておりますが、残念ながらウチにはそれがありません。なのでPS3に接続してみました。
システムに認識はされましたが、通常のBluetoothヘッドセットと同様ボイスチャットでのみ使用可能なデバイスとなる様子。なお、設定には現れ、選択もできますが、"FastStream"非対応ヘッドセットの場合にはマイクが機能しません。なので、動作も未確認となっております。
そんなこんなで総評など。何も考えずにUSBポートに挿し込むだけで使用可能となり、USBオーディオデバイスなので導入時のトラブルも少なめ。さらに、必要な操作もペアリングだけと簡単なので、PCのサウンド出力をaptX化またはaptX Low Latency化したいのであれば最適なデバイスなのではないかと思われます。
そんな感じの"BT-W2"ですが、製品は直販のみなのでご注意くだされ。直営のクリエイティブストア以外にも、楽天市場とAmazon.co.jp
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