SC-NA10を試してみる
ということで、少々の手間をかけて環境を構築したaptX Low Latencyの対応製品を探してみることに。この条件なら、かなり絞り込むことができるハズです。
そんな訳で、公式ページの対応製品リストをチェック。なぜかSoundblaster X7が紛れ込んでおりますが、これはアンプなので除外。日本で普通に購入できそうなポータブルスピーカーをピックアップしてみると、DENON Envayaシリーズ2製品およびパナソニック SC-NAシリーズ2製品の4択となります。
この他にも、密かにaptX Low Latencyに対応した製品もあるかとは思いますが、とりあえずこの4機種が有力な候補となります。いろいろと悩んだ結果、生産完了に伴いお手頃価格となった"SC-NA10"をチョイスしてみました。
という訳で、今回もナンバリングはありませんがaptX Low Latencyネタとしては第5話となります。過去の投稿に関しては本ページ左上にある検索機能にてaptX Low Latencyをキーワードとして指定して頂けますれば。
まずは外観からチェックしてみます。"SC-NA10"の大きな特徴となっているのがスタンド機能付きのカバー。フラップ部分にはマグネットが装備されており、閉じた際にパンチングメタルに貼り付くためカバーがパカパカすることはありません。
カバーを開けばスタンドになりますが、単に立てかけるだけで角度調整は不可。また、カバーは本体背面のホックで止められており簡単に外せますが、本体のみでの自立は不可能なため、実質的にはカバーが必須となります。
デザイン上のアクセントにもなっている本体右側のノブは音量調整用。本体幅よりも細身になっており、不用意に触れて音量が変わってしまうことはありません。
ただ、結構つまみにくいため指の太い人には操作が難しいかも。ちなみに、音量調整はロータリーエンコーダによるデジタル方式となっているようです。
本体の素材ですが、前面のパンチングメタル以外はほとんど樹脂製。にも関わらず、安っぽさを感じさせないところはさすがにパナソニックといった感じ。
実は結構厚ぼったいのにスリムに見せるそのデザインワークや高級オーディオ風に重い音量調整ノブ、青色LEDだけれども目にうるさくないインジケータなど、ツボを心得ている感があります。
また、起動時と終了時のサウンドもBluetoothヘッドホン/イヤホンにありがちな「ピロロロ」ではなく、高級感のあるサウンドが採用されております。HTML5に対応した環境の方は以下で実際に聞くことができますのでよろしければ。
【起動音】
【終了音】
実際に音楽を流した際の音質ですが、それを語れるほど優れた耳を持っている訳ではないので簡単に感想など。スピーカーは2個のフルレンジユニットとパッシブラジエータというありがちな構成ですが、このサイズにしては低音もよく出ているように思えます。
左右のユニットは16cmほどしか離れていないため、ステレオ感なんて皆無に等しい状態ですが、そういうモノだとわかっていれば問題ナシ。音量を上げすぎると本体がビリビリと鳴り始めるため、デスクやテーブルに置いてBGM的に音楽を流すのが適した使い方なのかも。
で、この機種を選んだキモであるaptX Low Latencyですが、まったくもって快適そのもの。テレビの外部スピーカーとして使っても不自然さはありません。けれども、実際には知覚するのが難しいレベルで遅延しており、これを計測により視覚化してみました。
環境としては、ひとつのモノラルソースを2つに分け、Bluetoothとケーブルで伝送し、それぞれをL/RチャネルとしてPCで録音する。といった感じになっております。
こちらは録音に使用したサウンド編集ソフト"Audacity"の画面ですが、図の中央にある選択部分が2つのトラック(L/Rチャネル)のズレ=遅延を示しております。
選択部分の時間はウィンドウ下部に数値として示され、ここでは0.039秒(39ミリ秒)の遅延が発生していることがわかります。CSR(現Qualcomm)の言う「エンドツーエンド遅延を全体で約40ミリ秒以内に抑える」という仕様に沿った結果となりました。
そんな感じでおおむね満足ではあるのですが、ひとつだけ不満なのが充電に専用のACアダプタ(出力12V)を必要とする点。内蔵バッテリが7.4Vであることから2個のセルを直列で使っているのだとは思いますが、1セルだったらUSB充電ができただろうにと惜しまれます。
この部分に妥協できるなら、ポータブルなBluetoothスピーカーとしては優等生な仕上がりの"SC-NA10"を選ぶのもよろしいかと思われます。ただ、冒頭でも書いたとおりすでに生産は完了しており、残るは市場在庫のみ。なので、興味のある方はお早めにどうぞ。
価格的なところですが、楽天市場ならこんな感じ、Amazon.co.jpならこんな感じとなっております。
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