長めのOTGケーブルを作ってみる
ウチにも数本あるのですが、いずれも全長10cm程度の短いタイプ。これらのケーブルを使いながら「もう少し長いと便利かも?」という気がしておりました。
そんな思いを頭の片隅に抱きつつeBayなどをつらつらと眺めてみると、なかなかにヨサゲなアイテムを発見。OTGケーブルとしてはめずらしく約30cmと長めなのに加え、日本円で送料込み200円程度とお値打ち価格となっております。ちょっと試してみたくなったので、サクッとオーダーしてみました。
数週間してモノが届いたので、早速"Nexus7(2012)"にて動作チェック。ところが、USBデバイス接続してみるも認識されません。他のOTGケーブルでは問題なく動作するので、あきらかに原因はこのケーブル。
テスターなどを駆使して調べてみると、OTGに必須となるUSB micro Bコネクタの4番ピン(Sense)が5番ピン(GND)に落ちていないようです。USBデバイスが認識されないのも当たり前。ちなみに、他の結線は問題なく、変換コネクタなどを駆使することで普通のUSBケーブルとしては使えました。
商品説明にはOTGケーブルと記載されているにもかかわらず、その機能を有していないのだから、これはもう立派な不良品です。販売者にクレームを入れるとスムーズに返金され、モノも返送不要となりました。
ということで、USB micro Bコネクタをバラして真相を確かめてみます。事前調査の通りVcc(+5V)、D+、D-、GNDの4本しか結線されておらず、Senseにはランド(ハンダ付けする場所)すら存在しません。不良品というよりは、普通に変換ケーブルとして設計・製造されたアイテムに思えます。
一方、ケーブルの方を見てみると、網シールドは両コネクタの金属部分に接続されているのに加え、リード線もアルミ箔テープで保護されておりノイズ対策もバッチリ。USBケーブルとしては真っ当な仕様となっております。そこで、これを素材として新たにOTGケーブルを作ってみることに。
すでにオリジナルのコネクタは再生不可能なレベルで破壊されているので新品のパーツを使用します。それがこちらの写真。
この手の作業をするたびにWebを検索して「このピンがVccで、これがGNDで...」とチェックするのはけっこう面倒なので、備忘録として画像にそれぞれのピンの役割りを書き込んでみました。
写真では3つのランドが見えておりますが、反対側にもう2つランドが用意されております。それぞれ緑字(緑矢印)、赤字(赤矢印)で表記してあります。なお、ランドの配置が写真と異なるパーツもあったりするので、実際の作業においては確認作業をお忘れなきよう。
OTGケーブルの場合、4番ピン(Sense)と5番ピン(GND)がショートしている必要があるので、短めのリード線を用意して両端をそれぞれのランドにハンダ付けすればOK。もちろん1/2/3/5の各ピンには、USBケーブルの対応するリード線を正しく結線します。
上記コネクタパーツには専用の樹脂製ハウジングが付属していたのですが、ケーブルの太さが合わないために不採用。その代わりにグルーガンで固めてみました。何も考えずに盛るだけでなのでお手軽です。
普通に作っても面白みにかけるので、今回は"Nexus7(2012)"用のアングルコネクタ仕様で製作。けれども、作業の途中でグルースティックが品切れになってしまい、中途半端なところで終わっております。
とりあえず、テスト的な使い方なら支障もなさそうなので、"Nexus7(2012)"に接続してみました。カードリーダーの読み書きやUSB DACの動作などもまったく問題ナシ。
ただ、ランドスケープ(横長)位置のタブレットをスタンドに置いた場合、ケーブルのテンションがコネクタ付近に集中しやすく、ケーブルとハウジングが交わる辺りの物理的強度が少々不安な感じ。
ハウジングをケーブル方向に伸ばして強度を稼ぐか、いっそエポキシパテなどで固めてしまうか、何らかの処置を施す必要がありそうです。
紆余曲折はあったものの、当初の目的であった長めのOTGケーブルをゲットできたので、今回はこれで良しとしましょう。
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