KENTLI PH7を試してみる
けれども10440サイズの生セルではありません。電圧は1.5Vとなっており、一般的な乾電池とコンパチブル。中身はリチウムポリマーセルなので、当然ながら電圧は3.7V付近な感じなのですが...。
内部にはセルの制御回路に加え、降圧コンバータが搭載されており、そのおかげで乾電池互換の出力を実現しているという次第。当方が入手したのは単4形のPH7ですが、こちらのページで単3形の方(PH5)を分解した際のレポートが掲載されておりますので、興味のある方は合わせてご覧いただけますれば。
パッケージにでかでかとプリントされておりますが、容量は1100mWh。同じサイズのeneloop proが1080mWh(1.2V×900mAh)なので、使用感はこれに近いのかもしれません。あくまでスペック上はそうなる、というお話ではありますが。
この他、充電速度が速い(ニッケル水素充電池比で5~10倍)、自然放電が極めて少ない、充電回数が多い(約1000回)、メモリー効果も液漏れもナシ、なんて特徴もあります。
充電には専用の充電器が必須となるため、今回はセット品を購入しました。冒頭の写真にある白いアイテムがPH5/PH7兼用の充電器で、電源にはPCなどのUSBポートまたはUSB-ACアダプタを使用します。
充電器には2つのスロットが用意されており、2本の電池をセットしての同時充電が可能。充電状況はLEDインジケータによって判別でき、赤なら充電中、青なら充電完了という具合になっております。
LEDインジケータは各スロットに用意されており、一方が先に充電が完了した場合そちらのインジケータだけが青くなり、もう一方が赤のまま、ということもあります。もちろん、1本のみの充電も可能。
この雰囲気だとPH5とPH7の混在充電も可能そうな雰囲気ですが、確かめた訳ではないのでやらない方が良さそうです。
で、こちらはスロット部分のアップですが、半円状の突起が確認できるかと。これが充電に使用する電極となっており、外側が単3用で奥まっているのが単4用。
横に置いた電池を見るとわかるのですが、中心にある凸型プラス極の外周にもうひとつのプラス極が用意されております。ここが充電器の半円状の突起と接触することで充電されるという仕組み。
ちなみに、この外周の電極はセルに直結しており、相応の機器においては3.7Vでの利用も可能。パッケージにもそんな感じの(1.5V/3.7V兼用的な)ロゴが入っております。もっとも、そんな機器があるかどうか不明ですが。
想像ではありますが、フェイルセーフを目的としてこのような特殊な方式が採用されているのだと思われます。これなら、間違えて他の種類の充電池をセットしたとしても、電池のプラス極が充電器の端子に接触しないため電気が流れることはありません。
それで、事故の発生を未然に防ぐことができる訳です。なにせ、この充電器の出力電圧は4.2Vもありますので。
実際の利用を開始する前に、念のためテスターにて電圧をチェックしてみました。確かに1.5V少々となっており、これなら普通の電池として使えそう。
リチウムつながりということで思い出されるのがエナジャイザーのリチウム一次電池。なかなかのスグレモノではあるのですが、初期電圧が妙に高い(1.9V近くあったりする)という特徴があります。
一般的な乾電池の電圧を期待して設計された機器においては、高い初期電圧が負荷となる可能性があり、その使用には結構気を使います。けれども、出力に関して互換性の高い"KENTLI PH7"ならその心配は無用。
また、本文の冒頭でも記述したとおり、"KENTLI PH7"では3.7Vのリチウムポリマーセルをパワーソースとして、降圧コンバータで電圧を制御しております。このため、バッテリ残量がなくなるギリギリまで一定の出力を維持することができる、という特徴もあったりします。
電池切れの場合には過放電防止回路が動作し、いきなりシャットダウンされます。一般的な乾電池のように電圧が徐々に降下することがないため、機器に搭載されたバッテリ残量インジケータが機能しない可能性も。この辺の動作は、人によっては使いづらいと感じるかもしれません。
このように、これまでの充電池とはいろいろな点で異なるため、その運用には少々気を使う必要があります。が、使い勝手はよろしく個人的には満足できるモノでした。
あとは信頼性が確かならバッチリ...なのですが、この辺は長期間試用してみないことには何とも言えません。そんな感じなので、万人にお勧めできるモノではありませんが、この手のアイテムに興味があるのなら楽しめること間違いナシ。
残念ながら国内での入手は難しい感じですが、海外通販に抵抗がないのならaliexpressやeBayあたりをチェックしてみるのがよろしいかと思われます。
***Edit***
英語版の製品ページがありましたので追加しておきます。冒頭の中国語版よりも詳細なスペックを知ることができます。
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