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Seek Thermal Compactを試してみる

2016年9月11日  2016年9月11日 
防水ケースも同梱
レンズが捉えた範囲の温度分布を視覚化してくれるサーマルカメラ。最近では、スマホに取り付けるお手軽なモノも登場しております。こちらの"Seek Thermal Compact"もそのひとつ。

前々から興味はあったのですが、「業務的に使う訳じゃなし、すぐに飽きるぞ」という天使の声にかろうじて物欲を抑え込んでおりました。

が、「憧れのサーマルカメラだぞ。価格も手頃だし買っちゃえよ」という悪魔の声に負けてしまった次第で。製品としてはmicroUSBに対応したAndroid用とLightningに対応したiOS用の2タイプがありますが、当方ではAndroid用をチョイスしてみました。

けれども、Androidならどんな端末でもOKという訳ではなく、少なくともUSB OTGのサポートが必須。メーカーによる動作確認機種リストはこちらにありますが、数あるAndroid端末のほんの一部しか載っておりません。

リストにない機種に関しては、動くかもしれないし動かないかもしれないという微妙な状況。ユーザによる動作確認の報告があれば良いのですが、それ以外の場合にはギャンブル的な買い物となってしまいます。

当方が所有する端末としてはNexus7(2012)およびNexus4がすでに非対応機種に入っており、残るはCM13を入れたXperia Rayしかありません。「これで動かなかったら、新しい端末を購入するための言い訳にしよう」ってな軽いノリで購入してみました。

残念ながら幸いにしてXperia Rayで動作したため、とりあえず新しい端末を買うのは先延ばしに。ただ、万全な状態で動作した訳ではありません。

"Seek Thermal Compact"はスマホの上か下のUSBポートに接続するよう設計されており、ポートが横にあるXperia Rayでは画像が90度回転した状態となってしまいます。

この問題を解消するため、画面を強制的に回転させることができるアプリを使ってみることに。いくつかのアプリをテストしたのですが、これがどうもうまくいきません。

ちょっとカッコいい...ような気が
無理やり回転させるとアスペクト比がおかしくなるなど、しっくり来ません。ということでスッパリとソフト的な解決はあきらめ、物理的に対処することに。

手持ちのパーツで短いmicroUSB延長ケーブルを作り、"Seek Thermal Compact"を端末の背面に貼り付けてみました。ケーブル長やL字型のコネクタなど、見た目にもこだわっております。

その結果、"Seek Thermal Compact"は設計仕様どおりの向きとなり、ソフト的な不都合はすっかり解消。おまけに、通常のカメラ撮影と同様にスマホをホールドすることができ、使い勝手も良くなっているような気がします。

例えば端末の下に"Seek Thermal Compact"を装着した場合、通常の持ち方では手首が撮影のジャマになってしまいます。このため横画面で使用するか、端末をひっくり返して"Seek Thermal Compact"が上側になるように持ち替えなければなりません。

デザイン的にもメカメカしい雰囲気があり、結構気に入っております。ということで、しばらくはこの形態で運用する感じになりそう。

ちなみに、"Seek Thermal Compact"の貼り付けにはアクリルフォームベースの両面テープを使用しました。強力ではあるもののキレイにはがせるため必要な時だけマウントする、なんてこともできます。

ということで、実際に撮影してみたのが以下の画像。被写体には公園に植えられた比較的大きな木を選んでいます。

解像度自体は低めですが...
サーマルセンサーの物理的な画素数としては206×156しかないため、シャープな画像は期待できませんが、根の張り方や幹の凸凹感など、それなりに表現されているのが確認できるかと。

画面左端には最高温度と最低温度が表示されておりますが、この部分は状況によって変わります。この時はたまたま最低21℃で最高30℃だったということ。

この温度の範囲を黒→青→緑→黄色→赤→白と変化するグラデーションに割り当てて表現するため、温度差が少なめの場合には細かな階調表現が可能となります。

それで細かなディティールまで読み取れる画像になると。要するに画面内の温度差が小さいと分解能が高くなる訳です。

とはいえ"Seek Thermal Compact"では温度範囲が指定できず、狙って分解能を高めるのは難しい感じ。上位機種となる"Seek Thermal CompactPRO"ではその辺の調整も可能なため、期待する結果に近付けることはできそうです。

サンプル的にもう1枚。今度は通電状態でアクティブに発熱するチップが乗った基板を接写してみました。

接写もOK
画像の中央上部にある温度高めのチップは8mm角ほどの小さなモノですが、形はもちろん足などのディティールも確認できます。

レンズから被写体までの距離は40mmほど。思っていたよりは接写にも強いようです。eBay辺りでは社外品のマクロレンズなども販売されているようですが、個人的には素の接写能力でも充分であると思われます。

なお、手ブレを抑えるため、この撮影では端末を三脚に固定しました。本国ではカメラ部分のみを三脚にマウントできるホルダーも用意されております。

掲載した2枚の画像はいずれも画面中央部の温度を計測・表示するタイプとなっておりますが、アプリの機能としては最低温度と最高温度の場所をリアルタイムで表示したり、指定した温度のみに色を付けて表示するなど、いくつかのパターンが選択可能。また、カラーパレットもプリセットから選ぶことができます。

と、こんな雰囲気で思っていたよりはポテンシャルが高めな感じ。空調や電気関連の工事など、温度分布を可視化することに必然性を感じる方であれば有効に活用できるのではないかと思われます。

そうした目的がない当方のようなユーザにとって役立つシーンはほとんどありませんが、ガジェットとしての面白さはピカイチ。可視光線がまったくない状況でモノを認識できるのには軽い感動すら覚えます。

比較的レアな製品なので購入に際しては通販を利用することになると思われますが、とりあえず楽天市場Amazon.co.jp辺りをチェックしてみるのがよろしいかもしれません。



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