3Dプリントを試してみる(後編)
まずは素材の所見から。もう少し乳白色的な色味を想像していたですが、見てのとおり真っ白です。素材自体の色というよりは、白で染色したような雰囲気。
本体は3mmほどの厚みがあるため、しっかりとした剛性を感じます。簡単に壊れることもなさそう。それでいて力を加えるとグニグニとしなる柔軟性も備えており、はめ込み式で何かに装着するような用途には適しているように思われます。
続いては造形に関して。エッジ部分など、場所によっては少々のバリやヒケを確認できますが、美観の向上という意味においては特に手を入れる必要はないかと。初3Dプリントなので右も左もわからない状態ではありますが、良い感じにできているように思えます。
表面加工を指定した訳ではありませんが、全面で梨地的なザラザラな手触りの仕上がりとなっております。どうやらこの素材ではそうした仕上がりになる様子。ツルテカな樹脂だとかなりのチープ感が漂いますが、こちらは素の状態でも安っぽい感じはありません。
角度が付いた部位では積層痕も確認できます。ただ、すべての面ではなく、ある一定の方向を向いた面で発生する様子。そして、同じ方向の面でも垂直・水平な面では積層痕は見受けられず。
いかにも3Dプリンタで出力しました的な雰囲気があり悪くはない感じですが、用途や好みによっては表面を整えてあげる必要が生じるかもしれません。
続いては道具としての完成度に関して。こちらは、はっきり言ってよろしくありません。Nexus5もSeek Thaermalもとりあえずは装着できますが、いずれもガタガタでグラグラ。
データを使わせていただいておきながら文句を言うのもアレですが、このままでは使う気になれません。いろいろと手を入れることになりそう。
おそらく現物を使った上で公開しているのだろうとは思われますが、「これでOK」と考える完成度のしきい値が大きく異なるような雰囲気です。
成果物は今ひとつな感じとなってしまいましたが、仕上がりの具合が確認できたのは大きな収穫でした。興味のない出力サンプルを写真で見てもよくわからなかったりすることが多い訳で。
そして、フィギュアのように単体で成立するオブジェクトは別として、何かのオプションパーツとして使用するようなオブジェクトの場合には注意が必要であることを痛感しました。3Dモデルや完成品の単品写真だけでは使い勝手を想像するのは困難であるためです。
手元に3Dプリンタがあってトライアル&エラーで精度を高めていけたならそれが一番よろしい訳ですが、そうでなく人様が製作したデータをそのまま使わせていただく場合には、ちょっと気をつけた方が良さそうです。
と、そんな風に感じた初3Dプリントの顛末でした。
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