極小なスマホ用充電器"nipper"を試してみる
2017/2/5現在、上記サイトにおける販売はすでに終了しておりますが、今後は一般向けの販売も行われるらしい様子。その辺のお話は文末にて。
見てのとおり、おおよそ充電器とは思えないフォルムですが、それもそのハズ。この形態のままでは機能しません。変形&組み立てに加え、電力を供給するためのパワーソースが必要となります。しかも、使用するのは単3形乾電池×2本というユニークな仕様。
充電する際には、黒いキューブ状の本体をパカっと二分割し、その間に単3形乾電池×2本を挟む形で組み立てます。分割した一方のユニットには電極兼用のマグネットが仕込まれており、その磁力によって電池を挟んだままで全体の形を保持するという仕組み。
上記写真では内側にあるため見えないのですが、本体にはUSB micro Bコネクタが用意されております。このため、使用時にはスマホに直結しての利用が可能。iOSデバイスで使用する場合、Lightning変換コネクタが必要となるのは言うまでもありません。
特にスイッチ的なモノはなく、組み立てた時点で準備完了となり、スマホに接続すれば充電が開始されます。
磁力によって形を保つという点には若干の不安が残りますが、丁寧に扱う限り充電中のスマホ利用も可能。が、強いショックや振動などを与えるとバラけてしまう可能性があるので注意が必要です。
ちなみに、写真で赤色にみえる部分はシリコーンゴム製のベルト。未使用時にキーリングとして使えるのに加え、二分割した際に片方が行方不明にならず、電池を装着する際に扱いやすくなるなどの効果があります。
充電機能としては本体のみで完結しているので、その意味では有用性を増すためのアクセサリに近い存在かもしれません。
もちろん、電池を外せば本体はキューブ状に戻すことができます。その際にはマグネットによる吸着力だけでなく、各ユニットの接合部にある小さな凸凹を使っての物理的なはめ込みを併用するため、簡単に分離してしまうこともありません。なかなか良く考えられています。
そんなこんなで、こちらの写真が使用時の形態。ここではパワーソースとして単3形ニッケル水素充電池を使用しております。
理系の方には「単3形乾電池×2本でスマホを充電できるのか?」という疑問が生じるハズ。アルカリ乾電池×2本を直列に接続しても約3V、ニッケル水素充電池ではさらに低い約2.4Vとなります。
当然のことながら、このままではスマホを充電することができません。このため、本製品では内部にDC/DCコンバータを備えており、USBの定格に近い出力を実現しております。で、実際の出力ですが以下のような雰囲気となりました。
無負荷時:0A@4.95V
充電時:0.425A@4.76V
上記値は、ほぼ充電したてのニッケル水素充電池を使用したフレッシュな状態で計測しております。USBの定格電圧である5Vよりは若干低めですが、規格上の最低電圧は4.4Vなので、きちんと設計されたデバイスであれば問題なく充電されます。
上記セットアップでNexus4を充電してみましたが、1時間24分で41%→71%までの回復を確認。なお、Nexus4はスリープ&安静状態で充電しました。
充電が進むと給電と停止の状態がパカパカと切り替わるようになります。これがパワーソースの限界サイン。今回使用したニッケル水素充電池では、1時間24分でこの状態に至った訳ですが、アルカリ乾電池ならもう少し違う結果になったかもしれません。
いわゆるUSB-ACアダプタやモバイルバッテリを使った時のようなスピーディな充電は望むべくもありませんが、単3形乾電池×2本という貧弱なパワーソースでここまで充電できるものなのかと感心しました。
単3形乾電池なら入手も容易で、出先での不用意なバッテリ切れなど、緊急時には実にありがたい存在です。災害など電池の入手が難しい場合でも、既存の機器から抜き取った電池で急場をしのぐ...ってなことができるかも。
普段使いには厳しい雰囲気ですが、コンパクトでジャマにならず、お守り的に持っておく分には良さげなアイテムです。
で、一般販売の件ですが、現在のところAppBank Store

***Edit***
楽天市場でも扱われるようになりました。
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そしてAmazon.co.jpでも販売されるようになりました。
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