[Android] 着信音は大きく、通知音は控えめに
大昔のAndroidでは、電話の着信音と通知が来た時に鳴る音は個別設定が可能な仕様となっていました。が、いつの頃からか、それらは同一の調整にまとめられてしまい、現在に至ります。
一部の機種においては、メーカーのカスタマイズにより、今でも着信/通知音の個別設定が可能です。が、多くの機種ではAndroidの仕様ということで、それらを個別に設定することはできません。
もうひとつ、カスタムROMという例外もあります。例えば、冒頭のスクリーンショットはLinageOSというカスタムROMの音量調整画面ですが、着信音と通知音のスライダーの位置が違うのを見て取れるかと。
当方がこれまで使ってきた機種では、ほぼ確実にLineageOS(古くはCyanogenMOD)を入れて使用しており、聞き逃すとマズい着信音は大きく、重要度の低い通知音は控えめに調整しておりました。
それが当方のスマホの流儀となり、もはや「そうじゃないと困る」というレベルになっています。けれども、次期主力スマホとして考えている機種においては、着信/通知音の個別設定ができません。
アプリでどうにかできそうな気配ではありますが、それだけのために新たなアプリをインストールする気にもなれません。
もちろん、LineageOSが入ることを条件として機種を選定しているので、カスタムROMに入れ替えてしまうのもひとつの方法。が、ブートローダをアンロックしてしまうと、せっかくの保証がなくなってしまいます。
ということで、残る手段は通知音のソースをいじることだけ。すなわちサウンドファイルに記録されているデータのゲインを下げてしまえば、着信音よりも大幅に音量を小さくすることができます。
なお、今回紹介する方法は、すでに通知音のサウンドファイルが用意できており、PCに転送できることが大前提となります。
現在主流となっているAndroidにおいては、ルート権限がないとアクセスできない場所にサウンドファイルが置かれているため、システムからの抽出は難しいかもしれません。例えばAndroid10であれば、以下の場所にシステムの通知音があります。
/system/product/media/audio/notifications/
けれども、通知音にしたいサウンドファイルを別途用意してこれを加工する、のであれば、通知音の追加という形でシステムに組み込むことができます。
具体的な手順の前に、少々フォーマットの話など。Androidでは着信音や通知音には".ogg"という拡張子が付いたサウンドファイルが使用されており、これに対応した音声編集ソフトが必要になります。
当方では、"Audacity"というオープンソースのフリーソフトを使用しました。".ogg"にも対応しており、プラグインなどを必要とせず、素の状態で読み書きが可能です。ということで、"Audacity"を使った場合の手順を以下に。
- "Audacity"を起動したら、メニューの[ファイル(F)]→[開く(O)...]にて対象となるサウンドファイルを開く。
- [Ctrl] + [A]で波形データのすべてを選択し、メニューの[エフェクト(C)]→[増幅(A)...]を選ぶ。
- 表示されたウィンドウにてスライダーをマイナス方向に動かす。とりあえず-10dBぐらいの適当な値で。同ウィンドウ上の[プレビュー(P)]ボタンにてサウンドの再生が可能なので、参考にしてみるのもよろしいかと。
- メニューの[ファイル(F)]→[書き出し(E)]→[OGGとして書き出し(O)]を選んで、ファイル名と保存場所を指定して[保存(S)]ボタンを押す。
- 最後にメタデータ編集ウィンドウが開くので、トラック行にてサウンド名を設定する。この名称がAndroidから参照されることになる。もし、ウィンドウが自動で開かなかった場合、手順4の前にメニューの[編集(E)]→[メタデータ(M)...]にて、サウンド名を設定する。
- スマホとPCをUSBケーブルで接続し、編集したサウンドファイルをスマホの内部ストレージの"notifications"にコピーする。
あとは、スマホの設定にてコピーしたサウンドファイルを新たな通知音として設定すればOK。実際にスマホで音量を確認してみて、大きすぎ/小さすぎの場合には上記手順を1からやり直して最適な音量に調整しましょう。
サウンドファイルをいじる一連の作業は少々手間ですが、一度決まってしまえば、あとは何もいじる必要がありません。スマホにはアプリのたぐいをインストールしないので環境もクリーンなまま。
着信音(通知音)が、大きすぎる(小さすぎる)とお嘆きのAndroidユーザには一度お試しいただいきたい施策でありました。
コメント