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"SimPad Nano"と"AHK"を試してみる

2022年3月29日  2022年4月10日 
コンパクトな2キー仕様

少し前のことになりますが、補助的なキーボードが欲しくなりネットで検索などしてみました。で、たどり着いたのがこちらのページ

この"SimPad Nano"をひと目で気にいって購入を即決しました。というのが数ヶ月前のお話。モノが届いて動作確認をした後、再び箱に戻して今に至るといった感じです。

買っただけで満足した、という訳ではないのですが、ちょっと忙しくなってしまい、いじるヒマがなかったというのが真相です。

で、ちょっと余裕ができたので軽く触ってみました。これを一言で表すなら「プログラマブルな2+1メカニカルキーボード」。同人ハードとマスプロダクトの中間に位置するような製品です。

メカニカルキーは見てのとおり、2つしか搭載されておりませんが、本体正面にマイクロスイッチが装備されており、こちらも入力用として使えます。なので2+1と表現してみました。

メカニカルキーはよくあるタイプで、キーキャップはもちろん、スイッチ本体を交換することもできます。スイッチは差し込み式となっており、ハンダ付け不要で着脱可能。

パッケージには、2色(黒色/半透明)のキーキャップ、ケーブル、キープラー(キーキャップの引き抜き工具)、ストラップ、粘着シートなどが同梱されております。

PCとの接続端子はUSB Type-C。今どきのデバイスっぽくてよろしい感じです。ただ、同梱のケーブルだとテンションが強すぎて、"SimPad Nano"本体があらぬ方向を向いてしまいます。なので、快適に使うためには付属の粘着シートで固定するか、柔らかなケーブルを別途用意する必要がありそう。

設定用ソフトはWindows向けとMac向けの2種類。けれども製品には付属しておらず、別途Webサイトからダウンロードする必要があります。

専用ソフトで設定できるのは、ショートカットの設定(スイッチ×3個分)とイルミネーションの設定がメイン。この他、デバイスのリセットやファームウェアの更新といった機能も用意されております。

英語版のみですがルック&フィールは良好

ショートカットの設定を選ぶと、画面上にキーボードが表示されるので、割り当てたいキーのグラフィックをクリックするだけでOK。ただ、日本語キーボードには対応しておらず、全角/半角や変換/無変換など日本語環境独自のキーは指定できません。

もちろん、[ctrl][alt]などとのコンビネーション入力にも対応しております。けれども、残念ながらキーマクロ的な機能はありません。

イルミネーションは、なめらかに色が変化するタイプや、スイッチのON/OFFに連動した点滅などさまざまなパターンが指定可能。もちろん、イルミネーション自体をOFFにすることもできます。

なお、設定は"SimPad Nano"本体に記憶されるため、設定用ソフトを常駐させたりする必要はありません。

で、本稿の冒頭で述べた"補助的なキーボードが欲しくなった理由"ですが「ブログの投稿の作成時に多用するタグの入力を、スイッチ一発で入力できたら便利かなぁ?」と思ったのが発端。

その具体例のひとつに、HTMLの段落を示すpタグの入力を簡略化したい、というのがあります。ブログの投稿を作成する際には、適当なテキストエディタで文章を完成させてから、Bloggerのエディタに貼り付けて整形・仕上げを行う、というのが当方の作業パターン。

その整形の段階で、各段落ごとにpタグを入れて行く訳ですが、キーボード上で押しにくい位置にある文字が多く、入力が微妙に面倒です。それを一発で入力できたら、随分と作業が楽になるハズ。

けれども、キーマクロ的機能がない"SimPad Nano"でこれを実現するのは不可能です。ということで、ソフトウェアでキーマクロ的な操作を実現する"AHK"(AutoHotKey)というソフトを用意しました。

その名のとおり、キー押下にさまざまな機能を割り当てることができるWindows用の常駐ソフト。処理内容を指定するためにスクリプトを書かなければなりませんが、驚くほどにいろいろなことができます。

とりあえずやりたいpタグ付与の省力化ですが、これを実現するための手法としては、以下のような雰囲気になります。

  1. "AHK"で必要箇所にpタグを付与する処理をホットキーとして登録 
  2. そのホットキーを"SimPad Nano"のキーに割り当てる

まずは、"AHK"のスクリプト作成。特定の文字(ここではpタグ)を文章の前後に追加する方法として、こちらのページを参考に(というかほぼ丸パクリ)させていただきました。そんなこんなで完成したのが以下のスクリプト。

; 選択文字列をpタグで囲む処理

^!E:: Enclose("<p>", "</p>")

Enclose(begin, end) {
  oldClipboard = %Clipboard%
  Clipboard =
  Send, ^c
  ClipWait
  If (!ErrorLevel) {
    StringRight, LastChar, Clipboard, 1
    If (LastChar != "`n") {
      WinGetTitle, CurrentWinTitle
      Clipboard = %begin%%Clipboard%%end%
      ClipWait
      WinActivate, %CurrentWinTitle%
      Send, ^v
      Sleep 150
    }
    Clipboard = %oldClipboard%
  }
  Return
}

オリジナルからの変更は、ホットキーを[ctrl] + [alt] + [E]に、前後の文字(begin/end)を<p>および</p>にした、の2点だけです。

処理の流れに関しては、上記参考ページに詳しく記述されておりますのでご一読を。で、実際にスクリプトを走らせて動作を確認したら、"SimPad Nano"の設定ソフトにて任意のキーに[ctrl] + [alt] + [E]を登録すれば完成です。

まぁ、"AHK"のホットキーだけでも十分に便利な訳ですが、"SimPad Nano"と組み合わせることで、より効率的かつ気持ち良く作業ができるようになりました。

今回はHTMLのタグ入力に使用しましたが、これ以外にもビデオ会議システムの音声/映像ミュートや、Windowsの送る/戻る機能を割り当ててWebブラウザやプレゼンソフトで活用するなど、いろいろと使い道はありそう。

"AHK"を使わないならば、入力の遅延は一般的なUSBキーボードと同等なのでゲームにも良さそうです。

ちなみに、"SimPad Nano"はAliexpressにて購入しました。なお、リーベイツを通してAliexpressで買い物をすると、価格に応じた楽天ポイントが付与されます。やっておいて損はないかと。

残念ながら日本で取り扱うショップはない模様。けれども、Amazon.co.jpあたりを探すと似たような製品が見つかるようです。

ただ、プログラマブルキーボードとしては、設定用ソフトウェアが重要になるので、その辺は良く確認した方がよろしいかもしれません。

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