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WindowsでM+系フォントを使いたいのだ

2022年6月30日  2022年6月30日 
Mgen+の最も太いフォントです

ゆるいライセンスのおかげで、さまざまな派生が登場したフリーフォント"M+ OUTLINE FONTS"(こちらの公式サイトも参照のこと)。丸みを帯びた優しいデザインで、とても読みやすいフォントとなっています。

ただ、オリジナルのM+ではJIS第二水準の一部の文字がサポートされておらず、極稀に代替フォントで表示されたりします。そんなM+の弱点を補う形で作られたのが"Mgen+(ムゲンプラス)"というフォント。

これをWindows11のシステム標準、およびWebブラウザでの表示用フォントとして使ってみる、というのが今回のお話です。

Windowsならではの問題が...

"Mgen+"はTrueTypeとして提供されており、インストール自体は非常に簡単です。が、単純にインストールするだけでは小さなフォントがきれいに表示されません。

これはWindowsのフォントのレンダリングの問題。サイズの小さなアウトラインフォントをきれいに表示するためのヒンティングという機能があるのですが、Windowsではこの扱いが下手すぎます。このため、小さなフォントをあえて汚く表示してしまうのです。

その対策として、若干後ろ向きではあるのですが、フォントからヒンティングに関する情報を削除する、という方法があります。まずは、ヒンティングの削除によりWindowsでの表示がどう変わるかをご覧ください。

ガラリと変わります

上記画像は、プロポーショナルフォントである"Mgen+ 1cp"、および等幅フォントである"Mgen+ 1m"のサンプル。実際に当方がPCにインストールしたフォントだったりします。

一目瞭然ではありますが、特に4行目の「使用することになりました。」辺りに注目すると、ヒンティング削除前の汚さが良くわかるかと。

Windowsでのヒンティング削除には"FontForge"というソフトを使うのが、(手数は必要だけど)簡単です。具体的な手順に関しては以下のサイトを参照のこと。とてもわかやすくまとめられております。

日本語Webフォントをサブセット化する方法ギザギザ・ジャギジャギ解決手順

なお、ヒンティングの削除は、フォントファイルごとに実施します。例えば、"Mgen+ 1cp"と"Mgen+ 1m"のすべてのバリエーションをインストールする場合、合計で12のウェイトがあるため、作業も12回することになります。

まずはシステムフォントに適用

残念ながらWindowsにはシステムフォントを変更するための機能が用意されておらず、自分でレジストリをいじる必要があります。

ソフト類のインストールなしでやろうと思うと、「テキストで変更部分を記述してレジストリに結合...」的な作業が必要となります。この方法を所望するなら、以下のサイトを参考に。

ProGurashi【Windows】システムフォントを変更する方法

「フリーソフトの利用もOK」という方には、下記リンクで提供されるソフトを使うのがオススメ。ドロップダウンメニューで選んでボタンを押すだけでシステムフォントを変更できます。

Tatsu's life on the WebMeiryo UIも大っきらい!! (No!! Meiryo UI)

で、システムフォントを変更すると、見た目がどう変わるか? のサンプルが以下のスクリーンショット。"Mgen+ 1cp"をシステムフォントに設定してみました。

雰囲気も変わります

ウィンドウ上部のメニューなど、一部変更できていないところもありますが、全体としてはスッキリして見やすく、モダンな雰囲気になっております。

Webブラウザの使用フォントを変更してみる

続いては、文字を見る(読む)比率が圧倒的に高いWebブラウザに関して。当方では以下のような雰囲気に設定してみました。存在自体がレアなSerifフォントに関しては、デフォルトの游明朝で妥協します。

標準フォントMgen+ 1cp
SerifフォントYu Mincyo
Sans SerifフォントMgen+ 1cp
固定幅フォントMgen+ 1m

なお、Webブラウザでのフォント変更は、あくまでHTMLを表示させた場合に使用されるフォントであり、システムフォントに影響を与えることはありません。

また、コンテンツ内でフォントの指定があると、そちらが優先的に使われます。逆に指定がなかった場合、およびフォントが見つからなかった場合にはブラウザで設定したフォントが使用されます。

...などと書くと、ブラウザで設定したフォントが使用される機会は少ないように感じてしまいますが、実際に使ってみるとそんなことはありません。

例えば、Googleの検索結果ページではHTMLとしてのフォント指定がないため、ブラウザで設定したフォントが使用されます。

ボールド部分もハッキリくっきり

また、Web版Gmailの場合、メール一覧はもちろん、(フォント指定のあるHTMLメールを除き)本文のフォントも変更されるため、とても読みやすくなります。

最後に

ヒンティングの削除は少々手間ですが、WindowsのシステムおよびWebブラウザのフォントに不満があるのなら、その作業分の価値は十分にあると思われます。

そして、フォント設定をデフォルトに戻す場合に関して。システムフォントの変更に"Meiryo UIも大っきらい!! (No!! Meiryo UI)"を使った場合、プリセットメニューにWindows8~11のデフォルト設定が用意されているので簡単に戻せます。

けれども、自分でレジストリをいじった場合やWebブラウザでのフォント変更では、(フォント設定だけを)デフォルトに戻す機能がありません。なので、何らかの方法で変更前の状態を記録しておくことをお勧めします。


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