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真空断熱ボトルでゆでタマゴを作ってみる

2022年6月23日  2022年6月23日 
これでタマゴをゆでます

ある日のこと、ふとタマゴフィリング(タマゴサンドの中身)を乗せたトーストが食べたくなりました。朝の時間帯であれば、近所のコメダ珈琲でモーニング、という手もあるのですが、思い立ったのは真夜中。

ということで、自作すべく台所に立ったのですが、深夜に鍋やら何やらを出してガチャガチャやるのも気が引けます。

などと考えている時に視界の片隅に入ったのが、かなり使い込んだ真空断熱ボトル。容量0.36リットルの比較的コンパクトなヤツですが、「コレを使えばできるんじゃね?」と思ってしまったのでした。

とりあえずはやってみる、ということでボトルに生タマゴを入れて熱湯を注ぎ、フタを締めて密封。で、どのくらい待てば良いのか見当もつかなかったのですが、とりあえず1時間放置してみることに。

時間の経過後、ゆで上がったであろうタマゴを取り出してチェックしてみたところ、○△×なら△的なでき上がりに。とりあえず固ゆでになってはおりますが、殻をむく際に白身が持っていかれ、表面が荒れてしまいました。

白身の表面近くに結合の弱い層があって、そこに乗っている白身だけが殻にくっついてスルッとはがれたような雰囲気。冷やし忘れなど、ありがちなミスで発生するアレとは異なる感じです。

どうせグチャグチャに崩してしまうのだから、ゆでタマゴとしてのビジュアルは無視できる訳ですが、プロセス的には失敗した感が残ります。

どうやら、真空断熱ボトルでちゃんとした固ゆでタマゴをうまく作るには、もうちょっと真面目に取り組む必要があるようです。

熱湯の温度低下を考慮してみる

まずは事前調査から。とある文献によると、卵白を構成するタンパク質のひとつであるトランスフェリンは約60℃で固まるのだとか。

さらに、もうひとつの主要タンパク質である卵白アルブミンは約75℃で凝固が始まり、約80℃で完全に固まるようです。ちなみに、黄身の凝固温度は約70℃である様子。

これらの情報を踏まえ、80℃以上の温度を維持することができれば、問題なく固ゆでタマゴができるハズです。

そこで、真空断熱ボトルに入れた熱湯の変化をサーモグラフィでチェックしてみます。普通に鍋でゆでタマゴを作る場合、約11分で固ゆでになるらしいので、切の良い10分で途中経過を見ることにしました。

なお、ボトル内には常温の生タマゴを入れ、本番と同等の環境になるようにしてあります。

サーモグラフィで熱湯の状態を確認

画像の左側がヤカンで沸かしたばかりの熱湯を入れた状態。グラグラと沸騰した状態の熱湯を、火からおろした直後に注ぎ入れたのですが、89℃と低めの温度になっております。タマゴとボトル内壁に熱を奪われた...のではないかと推測されます。

で、画像の右側が10分後の状態。お湯の表面温度は82℃となりました。特に撹拌はしていないので、タマゴが沈んでいる容器の底はもう少し温度が低くなっていると予想されます。

ということは、この真空断熱ボトルで約80℃を維持できるのはこの辺がボーダーラインな感じ。1時間も漬け込んだのは大いなる無駄であったか...。

飲料の保温には十分な性能を持つ真空断熱ボトルですが、さすがにこの容量でゆでタマゴの調理温度を維持するのは難しかったようです。

すでに冷めつつあるお湯はどうしようもありません。なので、新たに熱湯と入れ替えてみることに。今度も80℃を維持できるであろう10分の再加熱を実施します。

いい感じに仕上がりました!

で、時間の経過後にタマゴを取り出して殻をむいてみると...。

完璧な固ゆでになりました

まったく持って普通の固ゆでタマゴができました。表面もツルツルな美肌状態であり、黄身も完全に凝固済み。コレこそ、求めていたゆでタマゴです。

熱湯の入れ替えが必要なのであまりお手軽ではありませんが、準備から片付けまでトータルな手間の削減と少々の省エネには貢献できるかもしれません。

真空断熱ボトルゆでタマゴの作り方まとめ

  1. お尻に穴を開けた常温の生タマゴを真空断熱ボトルに入れる(衝撃注意!)
  2. 熱湯を注いだらフタを締めて10分待つ
  3. いったんお湯を捨てる(熱湯注意!)
  4. 再び熱湯を注いでフタを締めて10分待つ
  5. タマゴを取り出して水で冷やしてから殻をむく

生タマゴのお尻(ゆるい方の突端部)に穴を開けるのは、通常のゆでタマゴ作りでも推奨されるひと手間。やっておくと、殻がむきやすくなります。

タマゴは常温推奨。いかにお湯の温度をキープするかが調理法のキモなので、冷蔵庫保管の場合にはその辺に放置して常温に戻しましょう。

また、お湯は多めに沸かしておいて、お湯変えのタイミングで熱湯になるよう残り湯を沸かし直すのがよろしいかと。できるだけタマゴを冷やさないようにするためです。

ちなみに、8分+8分という構成でもやってみましたが、黄身の中心にしっとり感が残る仕上がりになりました。このような完成度でもOKなら、少しの時短となります。

おまけ(トーストのおともに最適な大人風味タマゴフィリングのレシピ)

盛り付けの一例
材料(トースト2枚分)ゆでタマゴ(Lサイズ) 1個
マヨネーズ 20g
粒入りマスタード 2g
塩 少々

作り方は非常に簡単。スープボウルなどお椀状の容器にゆでタマゴを入れ、大きめのフォークで突き刺しつつ分割。タマゴを潰しやすくするための下準備です。

分割したタマゴを、フォークの背で容器の壁面に押し付けるように潰します。すると、フォークの歯の隙間サイズで黄身と白身が細断されるので、これを繰り返していい感じに細かくします。

あとは、マヨネーズ、粒入りマスタード、塩を投入し、よく混ぜたら完成。調味料の分量は目安なのでお好みで調整を。個人的には、マスタードが多すぎると苦っぽくなるので風味づけ程度に抑え、塩は多めにした方がおいしくなるのでオススメです。


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