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[Windows11] スリープ/ウェイクアップ装置を作ってみる

2022年7月8日  2022年7月8日 
DIY感あふれる紙製筐体

より快適なPC環境を目指してたどり着いた自分なりの解答。それが、ノートPCのフタ(ディスプレイ)を閉じたまま使用する、デスクトップPC的な運用でした。

けれども、ひとつだけ満足できない点が。閉じたフタの下にある電源ボタンへのアクセスが難しく、スリープ/ウェイクアップの操作が少し面倒なところです。

しかも、キーボードとマウスはワイヤレス接続なので、これらを使ってのウェイクアップにも期待できません。

とりあえずの解決策として、スリープは適当なスクリプトをキーボードのショートカットに登録し、ウェイクアップはWoL(Wake on LAN)アプリを使っておりました。

スリープ操作はキー入力一発なので、そこそこに快適。なのですが、ウェイクアップ操作のために必ずスマホを使う必要があり、さらにはPCが有線LANに接続されていないと機能しません。

もう少しお手軽で使い勝手の良い方法はないか?と模索を続ける日々。そんな中で見つけたのが以下の記事でした。

ファンアウト仙台デカスギ電源ボタン

Digisparkで作るお手軽USBデバイス

上記記事のデバイスには、AVR Attiny85という超小型マイコンを搭載した米Digistump社の"Digispark"という開発ボードが使用されています。

10円玉とほとんど同じコンパクトサイズながら、マイコンを始めとした各種パーツが搭載されており、ファームウェアを転送すれば、すぐに動作させることができます。

以前、マウスジグラーを作った際に余分に購入した"Digispark"が余っているのに加え、スイッチやリード線も手持ちがあるのですぐにできそう。

しかも、上記記事では"Digispark用のファームウェアが配布されているので、プログラミングは不要。書き込み用のプログラム(micronucleus.exe)もいっしょに公開されており、開発環境を整える必要もありません。

ただ、"Digispark"を開発用ボードとして扱うため、専用のドライバが必要になります。もちろん、完成したUSBデバイスとしての"Digispark"に特別なドライバは不要です。

ということで、サクッとテストしてみます。ファームウェアを転送した"Digispark"のD0端子とGNDを長めにショートさせてみると、Windows11がスリープに。もう一度、今度は短めにショートさせてみるとウェイクアップしてくれました。

テストではとても良い感じだったので、ちゃんと(?)作ってみることにします。

装置としての体裁を整えてみる

テスト時に判明したのですが、むき出しのUSB端子は意外と外圧に弱く、ポートに刺さった状態で軽く触れただけでも接触不良が発生し、"Digispark"がリセット→再起動してしまいます。これでは信頼性ゼロ。

そんな雰囲気なので、より確かな動作をさせるため、USBケーブルでの接続方式に変更します。と言っても、適当なUSBケーブルを切断して"Digispark"にハンダ付けするだけ。

なお、"Digispark"でUSB接続に使える2つのポート(D3とD4)は、シルク印刷が本来の機能と逆になっておりますのでご注意を。USB+と表記されるD3にはUSB-を、USB-と表記されるD4にはUSB+を接続する必要があります。

次の問題はケース。スリープ/ウェイクアップ装置として、必要なパーツは手元にあったものの、さすがにケース的なモノは持ち合わせておりません。

しかも、使用したスイッチはアミューズメント機器で有名な三和電子の"OBSF-24"。意外と高さがあり、薄いケースでは入りません。

で、使えそうなモノがないかと探してみると、USB-ACアダプタの空き箱に目が行きました。"OBSF-24"の足を曲げればかろうじて収まり、強度もそこそこ。何より加工が楽なのがポイントです。これに決定。

サークルカッターで"OBSF-24"の穴を、キリ的に尖ったモノでケーブル用の穴を開ければ、それだけで立派(?)なケースになります。

あとは、ケーブルをハンダ付けした"OBSF-24"を取り付け、切断したUSBケーブルを穴に通し、それぞれを"Digispark"にハンダ付け。最後にグルーガンでUSBケーブルを固定すればスリープ/ウェイクアップ装置の完成です。

実際の使い勝手は如何に?

中はスカスカ

紙製なので質感はアレですが、ビジュアルは強めになっており、これはこれでアリのような気が。フタをガバッと開けられるので、メンテナンス性も良好です。

操作感としては快適そのもの。スイッチを長押しすればスパッとスリープに入り、スリープ中に短押しすれば、程なくウェイクアップします。

なお、正しく機能させるため、本デバイスは常時PCに接続しておく必要があります。接続中の消費電力は約0.12W(24mA×5V)と少なく、省エネ視点での懸念も無視できそう。

電源ボタンにアクセスできないような状況でも、確実にスリープ/ウェイクアップできる本デバイス。似たような境遇で困っているユーザに強くオススメしたい工作でありました。

ちなみに、パーツ類を新たに用意する場合、"Digispark"ならAmazon.co.jp楽天市場でも購入は可能ですが、妙に高価なのでAliexpressの利用をオススメします。

また、スイッチに関しては、モーメンタリ(押している間だけONになる)なモノなら何でもOKなのですが、こだわるなら、アーケードマシンで鍛えられた三和電子の製品を選ぶものよろしいかと。通販ならAmazon.co.jp楽天市場でも購入できます。


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