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PCでFUSION IP-Phone SMARTを試してみる

2013年6月20日  2013年6月20日 
iPEVOのアナログハンドセット
インターネットをインフラとして音声通話を実現するIP電話。仕組み自体は随分と前からあったのですが、最近では、より使いやすいサービスが登場してきました。

例えば、フュージョン・コミュニケーションズの"FUSION IP-Phone SMART"。基本料金が0円で、携帯/固定電話への通話料は一律8.4円/30秒。さらに、契約金や入会金的なモノもありません。

しかも、050から始まる電話番号まで貸与されます。すなわち、固定電話や携帯電話などからその番号にダイヤルするだけでつながるという、まるで普通の電話と同等の使い勝手を実現します。ただし、110/118/119の緊急番号、0120から始まるフリーダイヤルなどが使えないなどの制限もあったりします。

とりあえずはスマートフォン向けのサービスとして提供されておりますが、実際にはSIP(Session Initiation Protocol)に対応したクライアントであれば、他のプラットフォーム/デバイスでも使用することができます。

同社のFAQにもあるように「SIPクライアントなら基本的に使用可能と思われ。制限は設けていないがサポートもしない(意訳)」というスタンスらしいので、PCでFUSION IP-Phone SMARTを試してみることに。

まずはPC用のSIPクライアントですが、今回は"Zoiper"のフリーバージョンをチョイスしました。プログラムはコンパクトで、インターフェースもシンプル。それでいて電話として必要な機能は網羅されているのがポイント。

設定も簡単で、ドメイン、ユーザ名(SIPアカウント)、パスワード(SIPアカウントパスワード)を登録すればOK。なお、カッコ内はフュージョン・コミュニケーションズでの用語となっております。

音声の入出力にはマイクとスピーカーが必要となりますが、ノートPCでは標準機能として組み込まれているモノも多く、そのまま使用することができます。当方もノートPCを使っているのですが、せっかく電話的なサービスなので、通話スタイルもそれっぽくするため、ハンドセットを用意してみました。

それが冒頭の写真に写っているiPEVOの"VOIPハンドセット"。グッドデザイン賞を受賞したというオシャレなデザインです。サイズ的には一般的な電話機のハンドセットより少し小さめで、スピーカーを耳に当てると、頬の横ぐらいにマイクが来ます。一応スピーカーのボリューム調整が行えますが、コントロール可能な機能はそれだけ。実にシンプルなデバイスであります。

入出力にはPCに用意されたヘッドホン端子とマイク端子を使用。いわゆるアナログ接続となります。PCから見た場合、単なるスピーカーとマイクなので、ドライバなどのインストールは不要。けれども、SIPクライアント側での設定は、ある程度必要となります。

Zoiperのセットアップウィンドウ
例えばスピーカーとマイクの設定。ここでは、通話にはハンドセットのスピーカーとマイクを、リングトーン(呼び出し音)にはPCのスピーカーを使用するよう指定してあります。

また、エコーキャンセル、入力ボリュームの自動調節、ノイズサプレッションもそれぞれONに。

オーディオコーデックには"FUSION IP-Phone SMART"と"Zoiper"の両方でサポートされており、最も音質が良いと思われるu-law(G.711u)のみを設定しました。

実際の使用に際しては、アカウントの登録が必要となります。登録と言ってもソフト同士のやり取りなので、作業として発生するのはボタンを押すことだけ。"Zoiper"のメインウィンドウにある登録ボタンを押すとSIPクライアントの情報がSIPサーバに登録され、該当するSIPクライアントによる発呼・着呼が可能となります。

もう一度このボタンを押すと登録解除となり、次に登録するまで発呼・着呼共に不可能となります。電話機能のON/OFFであると思っていただければよろしいかと。

なお、SIPクライアントは最後に登録されたものが有効となります。これを利用することで、外出時はスマートフォンのSIPクライアントで待ち受けし、家に帰ったらPCのSIPクライアントで待ち受けする、といった使い方も可能。それぞれのSIPクライアントを手動で登録/登録解除する必要はありますが。

ということで、実際に使ってみました。相手はFOMAの携帯電話。

市外局番を付ければ天気予報もOK
こちらのスクリーンショットはその時のモノではありませんが、通話中の状態はこんな感じとなります。

まず音質ですが、非常に明瞭です。ソフトが賢いのか、ハンドセットが良かったのかは不明ですが、エコーやノイズも気にならず。これらは、通話中の両者に共通の感想。音声の遅延では、「もしもし」といった後、間髪入れずに「はいはい」と応えてもらうようにしたところ、一呼吸置いて返事がくる感じでした。

明らかに遅延は感じますが、あらかじめ分かっていれば会話に支障が出るほどではありません。そもそもFOMA自体にも遅延はあるので、よく頑張っているのではないかと思われます。ちなみに、テストに使用したPCから"FUSION IP-Phone SMART"のサーバまでのping値は平均で約10msでした。

まださほど使い込んでいないので、結果を出すのは早計な感じではありますが、SIPクライアントを動かすデバイスの処理能力に余裕があり、インターネットの帯域がそこそこ広く、レンスポンス(ping値)も良いという条件が重なれば、それなりに使える...かな? というのがとりあえずの感想。

モバイル環境で上記要件をクリアするのはなかなかに困難ですが、屋内環境なら話は別。PC上のSIPクライアントや、Wi-Fi環境下におけるスマートフォンのSIPクライアント、IP電話機(ハードウェア)あたりでは実用性も高そうです。

"FUSION IP-Phone SMART"の場合、使わなければ0円なのでアカウントを取得しても金額的に損をすることはありません。なので、IP電話に興味のある方は、わりと遊べるこのサービスをチョイスしてみるのもよろしいかもしれません。

なお、先のハンドセットですが、iPEVOで探すよりもサンワダイレクトで購入した方がお安く購入できると思われます(除くセール品)。楽天市場Amazon.co.jpに支店がありますので、これらを利用するのがよろしいかと。モノはまったく同じなのでご安心くだされ。



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