[Nexus7] MarshmallowのUSB OTG機能を試してみる
基本的にはAOSP版をそのまま移植したものですが、メモリの少ない機種向けの最適化を実施するなど若干のカスタマイズも施されております。
これが、なかなかに素晴らしい完成度で安定性も抜群。フリーズや突然の再起動、アプリの強制終了もありません。
別のROMでは途中で動作が重くなって再起動を余儀なくされたゲームも、こちらでは快適に遊び続けることができました。ひとつ残念だったのはUSB OTGが機能しなかったこと。その不都合を解消したバージョンが公開されたので、さっそく試してみることに。
ただ、OTG対応とは言え、USBデバイスなら何でもアリという訳ではなく、マスストレージクラスのみの対応である様子。USB DACなど接続してみましたが、HotPlugはもちろん、挿したままリブートしても認識されません。
シャレでUSBフロッピードライブを接続してみましたが、こちらはディスクのフォーマットにより使用可能な状態に。どうやら少々特殊な方式らしく、フォーマット後のディスクはWindowsで認識されませんでした。
ということで、今回はOTG対応のカードリーダーを使用。以降Android用語に合わせてUSBドライブと呼ぶことにします。コレをmicroUSBポートに接続すると自動的にマウントされ、ステータスバーには小さなUSBアイコンが出現します。
通知の内容は冒頭のスクリーンショットにあるとおり。"取り外し"をタップすればアンマウントが実行され、USBドライブの物理的な取り外しが可能となります。これまでは、設定のストレージメニューからUSBドライブのアンマウントを指示していたのですが、もうそんな手間は必要ありません。
"外部メディア"をタップすると、システム標準のファイルマネージャが起動します。
ここで可能な操作は、USBドライブから内部ストレージ(またはUSBドライブの他ディレクトリ)へのコピーとファイル閲覧のみ。ストレージの切り替え機能が存在しないため、一方通行でのコピーとなります。
もちろん、"設定"→"ストレージとUSB"→"内部ストレージ"でファイルマネージャを起動すれば、内部ストレージからUSBドライブへのコピーも可能となります。
という「無いよりはマシだけれども、とんでもなく使いづらい」仕様であるため、USBドライブを活用したいroot化済みなユーザにおいては、他のファイルマネージャアプリを使用するのが賢明です。
話は横道にそれますが、ここでMarshmallowにおけるOTGの仕組み的な話を少々。接続したUSBドライブを開く場合、以下のディレクトリにアクセスするようになっております。
/mnt/media_rw/C65F-F8B4なお、"C65F-F8B4"というディレクトリ名ですが、これは接続デバイスにより変わるため、ご自身の環境と照らし合わせて適時読み替えてくだされ。
基本的には、ファイルマネージャアプリでこのディレクトリを開けばUSBドライブの中身が見える訳ですが、これが一筋縄では行きません。
ROMかファイルマネージャアプリかSuperSUのいずれかの不都合だとは思うのですが、該当ディレクトリが存在しません。正確には「存在しているのに見えない」という状態。もしかすると、環境によっては普通にアクセスできるのかもしれませんが...。
そうなった場合の暫定的な対処方法は以下のとおり。なお、ここではファイルマネージャの有名ドコロである"Root Explorer"を使用しています。まずはUSBドライブを接続した状態で、何も考えずに以下のディレクトリにアクセス。
/storage/self/primary初めての場合、アクセス権限を求めるシステムやSuperSUのダイアログが表示されたりしますが、これは許可しておきます。必要な操作はこれだけ。
あとは、ルートディレクトリに戻って/mntに入ると、/media_rwが出現します。その下層にある/C65F-F8B4が目的のディレクトリ。ここにアクセスするとUSBドライブの中身が表示されます。
いちいちディレクトリを昇ったり降りたりするのは面倒なので、/C65F-F8B4に対してブックマークなどの機能で目印を付けておくのがよろしいかと。
こうしておけば、次回以降上記の手順は不要となり、ダイレクトにUSBドライブを開くことができるようになります。
現状では、バックアップアプリの有名ドコロであるTitanium Backupのファイル保存に使えないなどの制限もあります。が、USBドライブと内部ストレージとの間でファイル交換をするだけならば、とりあえず問題はありません。
microSDカードスロットがない"Nexus7(2012)"において、物理的なメディアが使用可能となるUSB OTGは結構重要な機能。なので、制限付きではあるものの、それが動作するのは喜ばしいことです。
これはもう、Marshmallow環境に移行しても良いのではないかと思える体験でありました。
コメント