UGREENのUSB PDなACアダプタを試してみる
まだ黎明期であるためか、USB PDなACアダプタは種類も少なく、日本で普通に入手できる製品は限られます。ということで、今回はUGREENなるメーカーの製品をチョイスしてみました。
米Amazon.comでは、Nintendo Switchでの動作がタイトルに明記されており、とりあえずは使えるのだと信じて選定した次第です。Amazon.co.jpではそのような表記はありませんが、スペック的には行けそうな気配。
最大出力は30Wとなっており、Nintendo Switchの純正ACアダプタ(39W)よりも若干少なめですが、経験則としてそこまでの出力は必要ないことがわかっております。という訳で、この程度の違いは無視しても良さそう。
サイズ的にはひとまわり小さな感じとなります。プラグは折りたたみ式ではなく、直接生えているタイプ。なので、これ以上コンパクトになることはありません。金属のプラグがむき出しなのは、持ち運びに不便な感じ。
最大出力は上で記述したとおりですが、USB PD的なところでは...
5V--3A
9V--2A
15V--2A
20V--1.5A
...な感じとなっております。5Vが3AなのはUSB Type-Cの仕様として理解できますが、なぜか9Vは2Aまで。「ここは3Aだろ」と突っ込みたい気分ではありますが、今回は深く追求しないことにします。
けれども、どうしても突っ込みたい点がひとつ。この製品にはPSEマークが付いているのですが、その下には"×××株式会社"なる表記が。
そういう社名である可能性は低く、テンプレートをそのままプリントしたと考えるのが正解な雰囲気。電気用品安全法への対応がどうなっているのかは不明ですが、何ともお粗末な表記であります。
それはさておき、実際に使用してみた状況など。Nintendo Switchのバッテリ残量が50%程度になった時点でゲームを一時停止し、ホーム画面に戻った状態で30秒ほど充電した際の電圧/電流値をチェックしてみました。
また、ケーブルには長さ1mのUSB PD対応品と、長さは同じでUSB PD非対応品を用意。比較用として純正ACアダプタも計測してみました。結果は以下のとおり。
純正ACアダプタ
14.7V---0.87A
UGREEN製ACアダプタ(PD対応ケーブル)
14.8V--0.48A
UGREEN製ACアダプタ(PD非対応ケーブル)
14.8V--0.48A
USB PDなACアダプタではいずれのケーブルにおいても約7.1Wでの充電、純正ACアダプタでは約12.8Wでの充電とかなりの差が生じました。何度も差し替えたりしつつ検証したので、接触不良のように単純な問題ではなさそう。
いわゆる相性なのか、この製品がダメなのか、Nintendo Switchの充電システムに秘密があるのか、今のところは見当もつきません。が、USB PDなACアダプタでも14.8Vは出力されているので、一般的なUSB-ACアダプタを使った5Vでの充電よりは使えそうな雰囲気。
別途ケーブルが必要になるなど、Nintendo Switch専用としてはコストもパフォーマンスも低めな感じではありますが、USB PDな電源として他に流用できるのであれば、もう少し評価も変わってくるハズ。
USB PDなACアダプタを使うと電流値が低くなる問題はもちろん、他の出力(9Vや20V)に関してはまだ手を付けていないので、今後も引き続き調査を続けたいと思います。
***Edit***
ドックでの利用は想定していなかったので、試しておりませんでした。で、やってみたところ、電圧は14.8Vなのですが電流は0Aのまま。ドック経由での給電ではUSB PDのネゴシエーションが厳しくなったりするのでしょうか?
***Edit2***
PDO(Power Delivery Object)をチェックしてみました。パッケージや筐体に記載される最大出力は30Wのハズですが、PDOでは15Vと20Vで45Wの出力が可能であると通知しております。
これはいけません。場合によっては本体の給電能力を越える出力をしようとするため、トラブルが発生する可能性が高くなっております。
最悪、火を吹いたりする可能性も。ということで、使わない方が良い製品であるのかもしれません。
コメント