知的好奇心をくすぐるアイテム
密閉されたビニール(?)パック内に液体が満たされており、中に入っている金属板をつまんで「パキッ」と鳴らすと、液体が白く固まりつつ発熱するというモノです。
個人的には面白グッズであると認識しているのですが、一応カイロとしても使用できるようになっております。表面温度も40度程度までは上昇するので、そこそこ温かいです。
原理的には、過冷却状態にある酢酸ナトリウム溶液の中にある金属板が鳴る際の衝撃をトリガーとして凝固を始め、これに伴い凝固熱を発するというモノです。
氷が溶けて周囲の熱を奪う現象や、水などが気化するときに周囲の熱を奪う現象は日常的に見られますが、凝固熱が発せられるという現象はなかなか体験できるものではありません。
しかも、状態の変化としては中の溶液が「凍りつつある」わけです。頭では理解していても、「凍っているのに温かい」というのは実に不思議な感じです。
一度反応をスタートさせると途中で止めることはできず、数十分は発熱が続きます。反応が終わると中の溶液は固体化するわけですが、完全に固まってしまうわけではなく、手で揉むと簡単に崩れます。その感覚はシャリシャリとしており、パックの中に雪を詰め込んで握っているような雰囲気です。
もちろん、可逆反応なので、再び溶かしてあげれば元の状態(という言い方が正しいのかは不明)に戻ります。
その作業に必要なのはナベ。沸騰したお湯で5分ほど茹でればOK。後は取り出して放置しておけば、常温に戻っても凝固はしません。けれども、溶け残りがあるような状態だと、温度の低下と共に凝固を始めてしまうので、きちんと茹でてあげなければけません。
過冷却状態の水などは、軽く手で叩く程度のショックで凝固を始めますが、こいつは揉んでも叩いても状態は変わりません。唯一のトリガーが中に入っている金属板です。ここは、まさに不思議な部分です。
ずいぶん前に入手したので、今はもう絶滅しているだろうなぁ...などと思ったら、実はまだ現役のようです。楽天市場辺りで検索してみると、ズバリそのものではありませんが、似たような製品が売られておりました。
カイロとして買うと後悔しそうな性能ですが、知的好奇心を満たすためのグッズとしては満点です。お子様の「科学する心」を目覚めさせるのにも最適かと思われます。
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