さまざまな物や事に関する、役に立ったり立たなかったりするテキストが綴られるブログ。

音声合成を使った校正を考えてみる

2014年2月16日  2014年2月17日 
合成音声で校正を
自分で書いた過去の投稿を読み直した際に見つけてしまうのが、誤字や脱字を始めとしたケアレスミス。もちろん、テキストの作成中および完成後には目を通すことで校正をかけているつもりなのですが、それでも見逃してしまうことが多々ある訳で。

文章を目で追うだけでは無意識のうちに脳内補正が機能してしまい、ミスであるのに正しい記述であるかのように見えてしまうのが原因のひとつです。そんな時に効果的なのが音読。同時に目と耳で確認できるため、校正の精度を高めることができます。

けれども、目からインプットした情報を口からアウトプットするという方式のため、自分で音読するとインプット時に脳内補正が働いてしまう可能性があります。できるなら他の誰かに音読してもらうのがベストなやり方。

いつでも隣にいて必要な時だけ読み上げてくれる便利なアシスタントがいれば良いのですが、あまり現実的ではありません。そんな訳で、音声合成を校正用のツールとして使ってみましょう。というのが今回のお話。

まずは、環境に関して。当ブログはGoogleのBloggerをプラットフォームとしており、その管理・運用にはWindows PCを使用しています。

すべてWindowsで完結すればステキなのですが、無償で提供されているWindows向けの音声合成エンジンにはあまりよろしい感じのモノがありません。なので、読み上げにはAndroid向けの"N2 TTS"を使用することに。

"N2 TTS"は音声合成エンジンなので、実際の読み上げには別途アプリが必要となります。そこでピックアップしたのが"TextPlayer"。単体のアプリとして機能するのはもちろん、インテントによる連携もサポートされております。

作業の途中で重要な役割りを担うのがテキストエディタ。Bloggerのエディタからテキストをコピーしてファイルとして保存するのに加え、読み上げのジャマとなるHTMLタグの除去も行います。このために"NoEditor"というWindows用のフリーウェアを用意しました。

そして、WindowsとAndroidとの間を取り持つのが"Googleドライブ"。双方にインストールする必要はあるものの、ドラッグ&ドロップでファイルを共有できる便利なツールであります。以上が今回使用したソフト類となります。

続いては作業の流れを簡単に。テキスト作成の部分は割愛するとして、ほぼ完成した原稿をBloggerのエディタからコピーして"NoEditor"にペーストし、読み上げのジャマとなるHTMLのタグを除去します。

正規表現で一発削除
手作業でタグをひとつづつ消すのもバカらしいので、コンピュータらしくここはロジカルに行きましょう。今回の場合のように、テキスト内からさまざまなパターンの文字列を抽出するのに便利なのが正規表現。

これを使えば、テキストエディタの置換機能を使ってタグをサクッと消すことができます。もちろん、正規表現に対応したテキストエディタは必須。これが"NoEditor"を選んだ理由のひとつであります。

HTMLタグの削除には、検索対象として以下の文字列を指定し...
<("[^"]*"|'[^']*'|[^'">])*>
置き換える文字列は空欄のままで置換を実行すればOK。余分な改行が残ったりしますが、読み上げには影響がないのでそのままスルーで。どうしても気になる場合は、上記と同様に検索対象として"^\n"(ダブルクオーテーションは含めない)を指定して置換する文字列は空のまま実行すればOKです。

後は、適当なファイル名を付けてGoogleドライブのフォルダに保存すればWindowsでの作業は終了。以降はAndroid端末での作業となります。

Googleドライブのアプリから上記テキストを開くとアプリの選択メニューが表示されます。もちろん、ここは"TextPlayer"を選択。後は、再生したテキストを聞き取るだけです。目の方はBloggerのプレビュー画面にてテキストを追うのがよろしいかと。

ここまではブログの完成前に校正をするというスタンスで話を進めてきましたが、インターネット上に公開した後でチェックをしたいということであれば話はもっと単純です。

"TextPlayer"にはWebページを読み上げる機能が用意されているので、アプリ内で"Webブラウザ"を選択し、URLを指定するだけ。読み上げの際には、リンクや画像を無視してくれるので面倒がありません。

今回はブログの校正で話を進めましたが、テキスト扱うシーンであれば幅広く応用が可能。少なくとも単純なケアレスミスは駆逐することができますので、長文を書くことの多いユーザには一度お試しいただきたく。



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