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FEBON168を試してみる

2014年4月2日  2015年10月21日 
チップの型番などは削り取られてます
HDMI機器の映像/音声出力を、UVC(USB Video Class)およびUAC(USB Audio Class)に変換する"FEBON168 UVC USB HDMI Grabber card"というデバイスを買ってみました。

こちらの写真がその現物。USBコネクタを見ればわかるように、かなり小型のデバイスとなっております。基板そのままなのは現在のところサンプル販売であるため。

最大の特徴は、多くのシステムにあらかじめ組み込まれているUVC/UACドライバで動作するという点。このため、標準的な入力デバイスとしてさまざまなソフトで使用することができます。しかもHD/フルHDの高画質。さらに、USBのバスパワーで動作するため、別途電源を用意する必要もありません。

仕組みや使い勝手に関してはWebカメラと同様なので、これをイメージするとわかりやすいかも。大変ユニークなアイテムではあるのですが、いくつか気を付けなければならない点もあります。

まず知っておかなければならないのは、HDCPが非サポートであること。このため、HDCPによって暗号化されたHDMI信号を映し出すことができません。

また、フレームレートはMJPG(Motion JPEG)出力で最高30FPS、YUV出力で最高10FPSとなっております。少々の遅延もあるので、リアルタイム操作が求められるゲームなどには向かないと思われます。

製品には、720p版と1080p版の2種類が用意されており、それぞれ対応する解像度が異なります。720p版は1280×720のみの対応となりますが、1080p版は1980×1080、1280×720、1366×768の3種類が利用可能。その他、詳細なスペックに関してはPDF版データシート(720p版/1080p版)をご参照いただきたく。

問い合わせの際に「サンプル価格はどっちも同じ」と聞いたので1080p版をチョイスしてみました。ちなみに現時点での本体価格は$129.00で、国際郵便なら送料無料。何かあるとシャレにならないので発送はEMS(+$15.00)に変更して総額は$144.00に。支払いにはPayPalが利用できました。

と、そんな感じの"FEBON168"ですが、まずはWindows環境でいじってみたのでその辺を簡単にご紹介。さまざまなソフトに対応しているということは、逆に選ぶのが面倒だったりするのですが、ここでは"Potplayer"というWindows向けのメディアプレーヤーを試してみました。

PotplayerでHDビデオを表示
細かいことは抜きにして、実際に表示させてみたのがこちらのスクリーンショット。特に最適化は実施していないのでのっぺりとした絵になっております。

画面上には"Potplayer"の機能であるオンスクリーンディスプレイにてさまざまな情報を表示してみました。その内容をよく見ると、1280×720のMJPGで30FPS近く出ているのがわかるかと。

ヌルヌルとまでは行きませんが、割と普通に見れるレベルの動画ではあります。また、このソフトには録画機能も用意されており、ウィンドウ内に表示された映像を動画として保存することもできます。ウチのノートPCは非力なうえストレージも乏しいので、お試し程度にいじっただけですが、一応まともに動作しました。

ただ、MJPGにてしばらく録画/視聴を続けると基板上のひとつのチップが異常に発熱し、同時にフレームレートが激しく落ち込んでしまいます。

このチップがMJPGのエンコードを担っており、その負荷で発熱。熱ダレを起こしたか安全装置が働いたかでフレームレートが低下したのだと思われます。なので、うまいこと冷却できればMJPGでも普通に運用できるかも。もしかするとPCのリソース不足も影響しているかもしれません。※追記参照

なお、YUVを選択すれば10FPSとショボくなりますがチップの発熱は少なく、フレームレートも安定しておりました。

"FEBON168"は標準的な入力デバイスとして使用できる訳ですが、それは映像のみに限りません。録音ソフトを使用すれば、HDMI信号に含まれるサウンドをファイル化することもできます。

音声の取り込みもお手軽
こちらが実際に音声を取り込んでいる最中のスクリーンショット。オープンソースなオーディオ録音・編集ソフト"Audacity"を使用してみました。

動画の方はウチのPCでは荷が重い感じでしたが、音声ならばまったく問題なし。拍子抜けするぐらい簡単に音声ファイルを保存することができました。

で、最後に感想など。お手軽にHDMIの信号を取り出すためのツールとしては非常に優れていると思われます。けれども使い勝手にクセがあるのも確か。

HDCPに対応しないのは仕方がないとして、長時間利用が難しいMJPGモードや、YUVを使用した際の低いフレームレートは画像を取り込みたい場合に問題になりそう。これらが気にならないという方にはなかなか遊べるデバイスです。

現在のところ似たような製品は存在せず、まさに唯一無二の存在。なので、興味のある方は本ページ冒頭のリンクからサイトに飛んでコンタクトしてみましょう。他にも映像関連のユニークな品がありますので、その辺も要チェックです。

-続く-

***Edit***
どうやらPCの方が不調だったらしく、その後フレームレートの落ち込みは見られなくなりました。

***Edit2***
国内での代理店が決まったようで、Amazon.co.jpでも購入可能となりました。



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