Bluetoothでメカニカルなキーボードを試してみる
先日紹介した、ちょっとユニークなモバイル液晶モニタ。据え置き用としても使えそうな雰囲気だったので、思い切って「ノートPCのデスクトップ的利用」な方向に進んでみることにしました。
ノートPCはフタ(ディスプレイ)を閉じたまま作動させておき、その辺に立て掛けて設置するという感じ。Macで言うところのクラムシェルモードですな。
この利用方法で問題となるのが入力装置。マウスはBluetoothタイプを使っていたのでそのまま使えるのですが、ノートPCを片付けてしまうため内蔵キーボードが使えなくなってしまいます。
そんな訳で、外付けのキーボードを物色してみることに。利便性の関係でワイヤレスタイプであることは大前提です。可能であればBluetooth、ダメならUSBドングルを使用する製品でも妥協することにします。
それ以外の要望としては、ここしばらくノートPC内蔵のパンタグラフキーボードばかり使っていたので、今回はメカニカルキーボードがいいかなぁ? なんて思ってみたり。
この2点だけでも機種はだいぶ絞られます。で、選んだのがダイヤテック株式会社の"FILCO Majestouch MINILA-R Convertible"という60%サイズのキーボード。日本語配列とUS配列の2タイプがありますが、当方では日本語配列をチョイスしてみました。
要件であるBluetoothかつメカニカルスイッチなのはもちろん、テンキーレス+コンパクト設計の本体は狭いスペースでも使いやすくなっております。
Bluetooth接続時には単3形乾電池×2本で作動するため、充電式のように内臓バッテリがヘタって困ることもありません。また、USBケーブルを接続すればUSBキーボードとして機能するのもポイント。もちろんその場合、電池は必要ありません。
コンパクトサイズゆえの変則的キー配列ではありますが、製品に搭載されたキー配列変更機能に加え、外部ソフトを併用することで少しは使いやすくできるかもしれません。という訳で、サンプル的に当方でのカスタマイズをご紹介しようかと。
まずは、本体に装備された機能。裏面にはディップスイッチが装備されており、そのON/OFFでキー配列などを(ある程度)変更することができます。ちなみに、デフォルトではすべてのディップスイッチがOFFな状態。
当方がONにしたのは3と4の2つ。それぞれ「スタンダードモードの有効化」、「右下カーソルキーの表裏を入れ替え」となっております。詳しく見てみましょう。
ディップスイッチの3をONにすると、スペースキーの両端にある[Fn]が、日本語キーボード特有の[無変換]および[変換]として使用可能となり、デフォルトで[無変換]だったキーが[Fn]として機能するようになります。
ディップスイッチの4をONにすると、[Kana][Alt][Del][? /]の各キーが[←][↓][→][↑]に替わり、ダイレクトにカーソルの移動が可能に。けれども、[Kana][Alt][Del][? /]は[Fn]とのコンビネーション入力が必要となります。なお、ディップスイッチによるキー配列の変更時には、付属の交換用キーキャップと入れ替えることで、キートップ(およびサイド)の表記と実際の機能を合わせることができます。
この製品に興味のある多くのユーザが気になるのは、この矢印キーの扱いではないでしょうか? 右端じゃない設置場所も中途半端な感じではありますが、何より[? /]と[↑]が排他利用になっているのは悩ましいところ。
当方の場合、主な用途が日本語入力なので、[? /]に関しては"はてな"、"すらっしゅ"、"なかぐろ"と入力・変換することで対処しています。
タイピング回数は増えますが、この程度の入力であれば思考が中断されることもありません。なので、矢印キーの使い勝手を重視してみた次第です。
ただ、プログラムなどコードの記述が多い場合には[? /]も重要となるので、ディップスイッチ4はOFFのままがよろしいのかも。「どちらも譲れない」という場合、このキーボードの利用は諦めた方がよさげです。
さて、ここからは外部ソフトによるカスタマイズ。まずは、一番左上にある[E/J]。いわゆる[半角/全角]なのですが、本製品では[Fn]とのコンビネーションにより[ESC]としても機能します。
[E/J]はIMEのON/OFFで使用されるキーですが、当方では[変換]でIMEがONに、[無変換]でIMEがOFFとなる設定にしており("MS IME"/"Google日本語入力"の機能)、[E/J]キーを使用することはありません。
ならば、このキーは[ESC]の単機能であると嬉しいのですが、残念ながら本機にそのような設定はありません。
そこで探してきたのが、キー配列を変更することができる"ChgKey"というソフト。Windows NTの時代からある古いソフトですが、Windows 11でも問題なく使えました。
このソフトは、Windowsのレジストリを書き換えることでキー配列の変更を実現しております。ソフトを常駐させる必要がないというメリットはあるものの、Windowsの根幹に関わるレジストリをいじるソフトなので、利用の際にはご注意を。
詳しい使い方は割愛しますが、[E/J]に[ESC]の機能を上書きするだけなら数クリック(とシステムの再起動)で作業が完了します。
続いては、変な位置にある[Del]も何とかしたいところ。本製品では[Fn]+[→]および[Fn]+[m]の2つが[Del]となっておりますが、どちらもなかなか慣れません。
[Del]のためだけに何かのキーを犠牲にする訳にもいかず、とりあえず[Shift]+[BS]で[Del]となるよう設定することに。こちらもキーボード単体ではどうにもなりません。
ということで探してきたのが"AutoHotKey"。その名のとおり、Windowsのさまざまな操作をホットキーで実行することができる多機能ソフトです。
利用の際には「このホットキーを押すとこのように作動する」ということを記述したスクリプトを自分で用意しなければなりません。
が、目的である[Shift]+[BS]を[Del]にするだけの単純な内容なら、以下のようなスクリプトを記述するだけで大丈夫。
+BS:: Send,{Del} Return
こちらのソフトも詳しくは解説しないので、インストールや使い方に関しては、Googleなりで検索してみてくだされ。
"ChgKey"および"AutoHotKey"を使えばもっとゴリゴリにカスタマイズすることも可能なのですが、慣れすぎてしまうと他の環境で困りそうなので、最小限の変更にとどめてあります。
そんな感じなキー配列のカスタマイズ記録でありました。変則的な"FILCO Majestouch MINILA-R Convertible"のキー配列がネックになって悩んでいるユーザには、このような対処方法もあるということで。何かの参考になれば幸いです。
ちなみに価格的なところですが、例えば楽天市場ではこんな感じ、Amazon.co.jpではこんな感じとなっております。なお、なかなかにバリエーションの多い商品ですので、ご購入の際には仕様の確認をお忘れなく。
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