nasneの電源をUSB PD化して消費電力を見てみる
先日導入したSONY製ネットワークレコーダー"nasne"。セットアップも完了し、安定稼働を始めました。が、落ち着いてくると、常時スタンバイ運用における消費電力(と言うか、ぶっちゃけ電気料金)が気になってきました。
ワットチェッカーなる機器を使用すれば、手軽に消費電力をチェックできたりするのですが、あいにく手元にはありません。
ということで、電源をUSB PD化することに。USB電流・電圧チェッカーならすぐに用意できるので、お手軽に消費電力を知ることができます。
ということで、まずはnasneで使えるPDケーブルの製作からスタートです。
必要な素材と工作
PDを汎用的な電源として使う際には、いくつかチェックすべき要件があります。最初は、パワーソースとなるPD電源(USB-ACアダプタ)を見てみましょう。
nasne本体の動作に必要な電力は12V/1.5A。一方、純正ACアダプタの定格は12V/3Aと余裕を持たせた性能になっております。ということで、最低でも12V/1.5A出力に対応したPD電源が必要です。
当方では、最大63Wな2ポート仕様のPD電源が余っていたので、これを使うことに。一方のポートは差最大12V/3Aの出力に対応しており、電源として文句ナシです。
続いては、nasneの電源ジャックにつながるケーブルとDCプラグ。純正ACアダプタのDCプラグは、外形5.5mm、内径3.3mm、センター1mmピンってな仕様になっており、いわゆるJEITA4(またはEIAJ4)という規格になります。
プラグ単体だと、別途ケーブルを用意しなければならず、しかも余計な作業が発生してしまうため、あらかじめケーブルと一体になったこんなの(またはこんなの)を使うのがよろしいかと思われます。
続いては、PD電源から任意の電圧取り出すことができるPDトリガーに関して。今回は、以前こちらの投稿で紹介した"ZYPDCH"を使用しました。
このPDトリガーの場合、出力電圧を設定するための端子をハンダでブリッジするひと手間が必要です。けれども、あとは出力側のケーブルを処理するだけでOK。もちろん、極性および電圧のチェックは必須です。
基本的にはこの状態で完成なのですが、基板がむき出し状態であるのはいろいろとよろしくありません。
よくある仕上げ方法としては、熱収縮チューブでラッピング、というのがあります。が、ここでは写真の見栄えを考慮し、基板のままにしてあります。
さっそく接続してみる
そんなこんなで、完成したPDケーブルをnasneに接続してみました。写真の右側がPD電源から来たUSBケーブル、左側がnasneに向かうケーブルとなっております。
ちなみに、写っているのUSB電流・電圧チェッカーはすでに廃版ですが、後継モデルは絶賛発売中。コンパクトで使い勝手がよろしく、割とお勧めです。
電源変更後のnasneですが、リアルタイム視聴/録画/再生いずれもOK。問題なく動いているようです。ということで、早速電力をチェック。
アイドリング時 0.32A~0.35A(3.8W~4.2W) 再生時 035A~0.41A(4.2W~4.9W) 録画時 0.45A~0.58A(5.4W~6.9W) リアルタイム視聴時 0.45A~0.51A(5.4W~6.1W)
ってな感じになりました。なお、目視でチェックした数値をメモしただけなので、精度的にはさほど期待できませんです。
録画の動作が最も電力を消費するらしく、録画開始および終了の瞬間では0.7A(8.3W)ほどに跳ね上がる挙動が見られました。あまりに一瞬だったので、上記数値には反映させておりません。
それでも、電流が1Aに届くようなシーンに遭遇することはありませんでした。そんな訳で、電源の出力縛りをもう少しゆるくしても大丈夫だったかも。例えば18WクラスのPD電源でも、12V出力をサポートする製品であれば1.5AまでOKなモノも多く、そんな仕様のPD電源でも大丈夫な感じです。
で、最も知りたかった電気料金的の件ですが、消費電力が上記数値の大きい方の平均値である5.3Wとした場合、30日あたりの電気料金は約102.96円になるのだとか。計算にはこちらのサイトを使わせていただきました。
nasneの利用状況などにより変わってくるとは思われますが、ひと月100円前後で済むなら「まぁいいか」レベルでは納得できる雰囲気でありました。
おまけ
nasneの常時スタンバイ運用にて、もうひとつ気になるのが発熱。ということで、サーモグラフィを使って発熱具合をチェックしてみました。
省電力が最も大きく、発熱も最大であろうと予想される録画時の状態。画像で見えているのはnasneの向かって右側面となっております。
最も温度が高いのは、基板上にSoCが位置する部分。側面および上面に白色の高温部分が見て取れます。左側に搭載されたHDDもそれなりに発熱している様子。
いずれも筐体表面の温度なので、基板上の各部分はもっと発熱していることが予想されます。
何にせよ、冷却に気合を入れるなら、SoCを冷やすつもりでやるのがよさげ。そうすれば、筐体内部の温度が下がりHDDの寿命も多少は伸びるかもしれません。
まぁ、筐体に穴を開けたり、SoCにヒートシンクを乗っけたりと、面倒な改造が必要になりそうではありますが。
コメント