[Windows11] スリープ/ウェイクアップ装置を作ってみる【その2 前編】
以前、Digisparkという開発ボードを使用し、Windowsのスリープ/ウェイクアップコードを送出できるUSBデバイスを作成しました。
ボタンを長押しするとスリープの、短押しするとウェイクアップのキーコードを送出することで、Windows PCのスリープ/ウェイクアップをUSB接続のリモート環境で制御できる、というデバイスです。
その動作に問題はなく、特に不満もありません。もちろん、現在も絶賛稼働中。けれども、ちょっと面白げなデバイスを見つけてしまい、新たに作り直そうか、という機運が高まりました。
これがナニか? 思いっきり簡単に説明するとWindows用USBキーボードの中身です。キースイッチは付いていませんが、機能としては完成しており、必要なキーコードの配線をするだけで、自分専用のキーボードができる。というモノ。
原理的には、すべての端子とキースイッチを接続すればUSBキーボードが完成します。が、ものすごく面倒なので、基本的には自分に必要なキーコードだけを取り出すためのデバイスと思った方が正解です。
詳しくチェックしてみると、Windowsのスリープ/ウェイクアップはもちろん、パワー(電源ボタンのコード)にも対応している様子。興味がありすぎて、サクッと入手してみました。
さっそく動作をチェック
本投稿トップの写真が現物。USBコネクタのサイズを見てもわかるように小さな基板です。実際のサイズは約30mm×50mm。表面実装のパーツで構成されており、厚みもわずかしかありません。
インターフェースにはUSB Type-Cが採用されており、Windows PCに接続するだけですぐに動作を確認できます。
ということで、早速テスト。基板をWindows PCに接続し、"a"のコードを送出する端子同士をリード線の切れ端でショートさせてみると、あらかじめ起動しておいたメモ帳のウィンドウに"a"が入力されました。
必要なキーコードは、製品添付のマニュアルの裏面にプリントされたマトリクス表から探し出します。例えば、C1とR4をショートさせると"z"のコードが送出される、といった具合。下記画像をご参照くだされ。
スリープ/ウェイクアップかパワーのみの2択
外付けのUSBデバイスを使い、PCをスリープに移行させたり復帰させたりするには、2つの方法があります。
ひとつは、前作でも使っていたスリープ/ウェイクアップ、それぞれのキーコードを送出する方法。もうひとつは、パワーのキーコードを使う方法です。
前者の場合、スリープ/ウェイクアップの各コードを送出する必要があるため、2個のキースイッチが必要に。なので、コストと手間がちょっとかかります。完成時のデザイン的な好みもあったりなかったり。
後者の場合、Windows側での設定が必要となります。"コントロールパネル"→"ハードウェアとサウンド"→"電源オプション"→"電源ボタンの動作を選択する"を使用すると、電源ボタンを押した時の動作が変更できます。
ウチのPCでは、スリープに設定しております。すなわち、PCの稼働中に電源ボタンを押すとスリープに移行し、その状態でもう一度電源ボタンを押すと復帰する、といった感じ。
この動作を今回の基板で再現できるなら、ボタンは1個で間に合います。ということで、試してみます。
基板をPCに接続し、R7とC8をショートさせると...PCはスリープしました。で、その状態からもう一度同じ端子をショートさせると...無事に復帰。
動作はバッチリな感じです。同じことができるなら、ボタンは1個の方が簡単だし、誤操作することもなさそう。ということで、今回は1ボタン方式で行くことにします。
ケースとスイッチはどうする?
ボタンが1個で済むため、現在稼働中のデバイス解体し、ケースとスイッチボタンを流用するのがもっとも手軽なやり方ではあります。
が、今回はまともに仕上げたいという気持ちもあり、スイッチボタンと専用のケースを新たに手配することにしました。
ということで、前編はここまで。モノが到着次第、後編を上げる予定です。お楽しみに。 なお、基板の購入ですが、秋葉原界隈であれば複数店舗で販売されていたりします。が、通販でのお求めならマルツがよろしいかと。他のショップより少し安かったりします。もちろん、マルツ店頭でも販売されているので、実際にモノを確認したい方にもオススメです。
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