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2017/05/17

Kotomi Proを試してみる

TFTカラー液晶ディスプレイを搭載
USB PDな電源の詳細を知りたいと思った場合、USB PD snifferと呼ばれるプロトコルアナライザを使うのが確実です。

けれども、既製品はちょっとお高く、自作するにもLinux環境を用意する必要があり、ちと面倒。さらに、単機能の自作デバイスはすぐに飽きてしまい、ジャンクボックス行きとなる未来を想像するのは難しくありません。

でも、やっぱり知りたい。そんな問答を悶々と繰り返していた訳ですが、先日のこと"Kotomi Pro"と呼ばれる超高機能版のUSB電圧・電流チェッカーに似たような機能が搭載されていることを知りました。

が、このアイテム、国内はおろか英語圏での販売すらありません。唯一あるのはタオバオのみ。少々悩んだのですが、中国語でのコミュニケーションは不可能であると判断し、代行業者を通じて購入してみました。ちなみに、費用の合計はコミコミで6,500円ほど。

なお、製品にはマニュアル的なモノは一切付属せず、(おそらく中国語の)マニュアルをダウンロードするためにはアリペイのアカウントが必須。しかも、それを取得するためには外国人証明としてパスポートの情報を開示しなければなりません。

さすがにそこまでしたくはないので、当方では手探りで使い方を解析しております。そんな雰囲気となっておりますので、使うにはそれなりの覚悟と気概が必要だったりします。

この"Kotomi Pro"、各種充電規格のトリガー機能を備えていたり、AppleのMFi認証ケーブルをテストできたりするなど、かなりの高機能ぶり。ではありますが、ここではUSB PDにフォーカスさせていただきます。作業の手順を再現する形で記述しますので、操作の雰囲気など感じていただけますれば。

その前に基本的なコントロールスイッチの操作方法を少々。"Kotomi Pro"には押し込みと左右の傾きを検知するダイヤル型の3接点スイッチが採用されており、押し込みはEnterキー、左右の傾きは矢印キーとして機能します。

すなわち、ダイヤルを傾けて項目を選択し、押し込んで決定する、ってな感じの操作感。スイッチを2回連続で押し込む"ダブルプッシュ"で前画面に戻ることができます。

前置きが長くなりましたが、ここからは実際の使い方。USB PDな電源を"Kotomi Pro"のUSB Type-C入力に接続すると起動し、ほどなく画面には出力に関する各種データが表示されます。

この状態でスイッチを左に傾けると急速充電のトリガーモードに移行します。まずは意思確認の文言が表示されるので、"Confirm"にカーソルを合わせてスイッチをプッシュ。

すると赤点滅で"Don't plug-in any devices except the being-triggered guy!!"(意訳:目的とする充電規格に非対応のデバイスを接続してはいけません)とアラートが表示されます。そのまま少し待つか、スイッチを同方向に2回ほど傾けるとテストの選択画面へと移行します。

ここではさまざまな項目が並んでおりますが、目的はUSB PDなので"Power Delivery"までカーソルを移動させてスイッチを押し込めばPDO(Power Data Objects)の読み込みがスタート。一瞬画面が真っ暗になり、すぐに結果が表示されます。

PDOの一覧
実際の画面はこんな感じ。USB PDな電源が通知してきたPDOをリスト形式で一覧することができます。

ここでボタンを押し込むと次の段階へと移行しますが、問答無用で給電が開始されるフェーズなので要注意。"Kotomi Pro"のOut側に非対応デバイスが接続されていた場合、高い確率で壊れます。

上記画面のPDOのリストでは頭に番号が付加されておりますが、1からスタートしてボタンを右に傾けるごとに2→3→4→5と切り替わります。途中で左に傾けると若い番号方向に切り替わります。なお、"ダブルプッシュ"で初期画面に戻った場合でも、選択した電圧はそのまま維持されますのでご注意を。

この時、"Kotomi Pro"のOut側に電子負荷装置を接続すれば、USP PDな電源が仕様どおりに出力できるのかを確かめることもできます。もちろん、スマホやタブレットなど実際のデバイスを接続してもOK。ただし、間違った操作をするとそれらが壊れます。

いまのところは適当な電子負荷装置を持っていないので、その辺はまた別の機会にでも。なお、何も接続しない状態でも出力電圧だけは確認できるので、安全に様子を見ることができます。

負荷テストは大げさかもしれませんが、PDOを見るだけでも結構役立ちます。パッケージや筐体に記載された出力の情報とPDOを照合することで、その製品の素性を知る手がかりになったり。

両者はイコールであることが当たり前ですが、中にはそうでないモノもあります。例えばこんなのとか。

今回使用したサンプルはXiaomiのUSB PDな電源"CDQ02ZM"のモノですが、仕様として公開されている情報とPDOが合致しており、その意味ではまともな製品であると言える訳です。

USB PDな電源のチェックだけでもこれだけ使える"Kotomi Pro"。マニアックな機能が山盛りですが、もちろん一般的なUSB電圧・電流チェッカーとしても機能するため、日常的にも便利な一品です。

使い方によっては接続されたデバイスを壊しかねない危険なツールですが、それは高機能であるがゆえの諸刃の剣。自己責任において遊ぶおもちゃとしては非常に満足できるシロモノでありました。

***Edit***
AndroPlusさんにて英語版マニュアル、および最新版ファームウェア(2017/6/3現在)のダウンロードリンクが公開されております。



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