[Nexus7] f2fsを試してみる
ふと、最近はROMを切り替えるような使い方をしていないことに気付いてしまい、本格的に作業してみることに。
今回は、可能な限り現状の環境を維持しつつ、ファイルシステムだけを変更する方向で作業します。このため、カスタムリカバリであるTWRP(Team Win Recovery Project)および、adb(Android Debug Bridge)の操作、そしてファイルのバックアップやadbの操作用にPCが必須となりますのでご注意を。
現状ウチのNexus7(2012)にはCM12.1がインストールされており、都合が良いことにf2fsへの対応もOK。なので、これはこのまま利用します。もちろん、f2fsをサポートした別のシステムでもかまいません。
また、最初にもチラリと書いたのですが、f2fsとMultiROMとの共存は難しくなっております。少なくともウチの環境(およびスキル)では実現せず。なので、最初にTWRPをノーマルな状態に戻します。MultiROMを使用していない場合には不要な作業なので読み飛ばしていただけますれば。
■TWRPの導入とMultiROMの削除
公式サイトから最新のTWRPをダウンロードし、fastbootするなどしてインストールします。基本的にはこれだけでOKなのですが、念のためこちらのページに掲載されている"MultiROM uninstaller"をフラッシュしておきます。
■準備編
/dataのフォーマットに伴い消えてしまう/sdcardを、PC上の適当な場所に退避します。方法はいろいろありますが、当方ではadbを使用しました。
PC上の適当な場所にフォルダを作り、そのフォルダがカレントディレクトリになるようにコマンドプロンプトを起動します。
こちらのスクリーンショットのように、作成したフォルダを開いた際のアドレスバーに"cmd"と入力してEnterするのがお手軽でよろしいかと。
あとは端末をPCにUSB接続し、コマンドプロンプトのウィンドウに"adb pull /sdcard/"と入力して実行すれば、カレントディレクトリに/sdcardの中身がまるごとコピーされます。
続いてTWRPを起動してバックアップを実行します。この時、保存先としてUSBメモリなどを指定するか、バックアップの完了後にファイル郡をPC上の適当な場所に退避することを忘れずに。端末に保存したままだとフォーマット時に消えてしまいます。
なお、この辺のバックアップネタはこちらの投稿でも触れておりますので、読んでおくと何かの役に立つかもしれません。
■フォーマット編
ここからが作業の本番です。最近のTWRPではf2fsもサポートされており、フォーマットもTWRP上で行えます。
メニューのWIPE→ADVANCED WIPEと進み、f2fs化したいパーティションをチェック。今回は/cacheと/dataがターゲットですが、同時に作業できないので片方ずつ指定していきます。
その後、FS OPTIONS→CHANGE FSへと進み、f2fsのラジオボタンを選択してスライダをスワイプすればフォーマットが実行されます。
こちらがその際のスクリーンショットですが、TWRPのテーマを変更しているため、通常の画面とは異なりますのでご注意くだされ。
■レストア編
/cacheと/dataをf2fsでフォーマットしたらTWRPのトップ階層に戻り、レストアを実行します。対象は/dataだけでOK。その他のパーティションのレストアは不要なので実行前にチェックマークを外しておきます。
レストアを実行すると、TWRPのメッセージにて"このバックアップはext4パーティション用だよ(超意訳)"的なWarningが出ますが、これは無視しても大丈夫。この状態で何かできる訳でもありませんので。
レストアが完了したらシステムを起動し、先ほどバックアップした/sdcardの中身をコピーします。今回も使用するのはadb。端末をPCにUSB接続して、バックアップファイル群の入ったフォルダを開きます。
バックアップの時と同様、ここをカレントディレクトリとしてコマンドプロンプトを開き、"adb push . /sdcard/"を実行。すると先ほどバックアップしたモノがそっくりそのまま/sdcardに再現されます。コピーが完了したら、端末を再起動して作業は完了。お疲れさまでした。
■f2fs雑感
「で、実際f2fs化してみてどうなのよ?」に関してですが、実に微妙なところ。はっきりと体感できるような違いがありません。
一応ベンチマークも取ってみましたが、どうにもパッとしない雰囲気。パフォーマンスの向上という意味においては期待ハズレな感じとなっております。
システムやアプリの動作におかしな点はなく、f2fs化は成功していると思われますが、もしかするとパフォーマンスに影響を与える不都合を盛り込んでしまった...なんてこともあったりするかも。
面倒な手順を踏んでまでインストールしたので、しばらくはこのまま運用してみる予定ではありますが、f2fsに起因する不都合を発見次第、あるいはMultiROMが必要になった時点で戻してしまう可能性は大いにあります。
そんな雰囲気なので、無理してまでf2fs化する必要はないような気がする今日この頃なのでした。
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