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2017/06/13

DCプラグをUSB PD化してみる(実用編)

超小型USB PDトリガー
先日実施したテストでは良好な感触を得ることができました。ので、もう少し現実的なカタチを目指してみることに。そんなこんなで、DCプラグをUSB PD化してみる企画の第2段「実用編」をお送りします。

本企画のキモとなるのが、USB PDなACアダプタから指定した電力を引き出すことができるデバイス。

今回は、YZXstudioの"ZY12PD"というUSB PDトリガーモジュールを使ってみることにしました。写真ではサイズ感がわかりにくくなっておりますが、15mm×30mm程度の小さな基板に収まっております。

この"ZY12PD"には3種類のバリエーションがあり、当方が選んだのはいろいろと応用が効くネイキッド版。このほか、上記写真で左側の空き部分にUSB A(メス)コネクタが装着された通常版、そしてPDO(Power Data Object)を見ることもできるディスプレイを備えた豪華版が用意されております。

いずれも、USB PDなACアダプタが通知したPDOから、任意の電圧を指定しての出力が可能。この機能を利用し、12V出力に対応したUSB PDなACアダプタから12Vを引き出してDCプラグに変換する、という手法はテスト編のそれと一緒です。

ただ、前回は超高性能USB電圧・電流チェッカーである"Kotomi Pro"をトリガーとして使用しましたが、今回は専用モジュールを使うことで、より完成度を高めようとしている点だけが異なります。

で、その"ZY12PD"のオペレーションですが、基板上のマイクロスイッチにより、PDOの順番で電圧を切り替えることができます。

例えば、XiaomiのUSB PDなACアダプタ"CDQ02ZM"を電源として使用する場合、スイッチを押すごとに5V→9V→12V→15V→20Vと切り替わり、次のスイッチ操作で振り出しの5Vに戻るというサイクルになります。

この時、基板上のLEDインジケータも赤→黄緑→緑→薄青→青と切り替わります。が、色の変化は電圧の変化を意味する訳ではなく、単に順番を示すだけ。このため、異なるPDOを通知する電源に変更した場合には状況が変わってきます。

例えば、5V/9V/15V/20Vの出力が可能な電源の場合、LEDは赤/黄緑/緑/薄青の順番で点灯し、薄青に点灯した場合の電圧は20Vとなります。しかし、先程の"CDQ02ZM"の場合では、青色が20Vのサインとなります。同じ色でも電圧が異なる場合があるということ。

なので、実際の運用時には注意が必要です。慣れるまではUSB Type-Cコネクタ側に電圧・電流チェッカーを噛ませて電圧を確認してから使用するのがよろしいかもしれません。

スマート化には成功
そんな感じの"ZY12PD"を使って、USB PD-DCプラグ変換器を作ってみます。やることはシンプルそのもの。

ジャンク箱から見つけてきた外径5.5mm/内径2.1mmのDCプラグ付きケーブルを適当な長さにカットし、"ZY12PD"の出力端子にハンダ付けするだけです。VCCとGNDの2か所のみなので作業もサクッと終わります。

上記写真が半完成品とその利用シーン。基板自体がコンパクトであるため威圧感はほとんどなく、見た目にもシンプルにすることができました。

仕上げ処理(熱縮チューブでのラッピング)が済んでいないため半完成品な訳ですが、機能的には仕上がっておりますので試用も可能。

もちろん、出力の切り替えおよび各電圧は事前に確認済みであり、何の問題もなく充電が完了しました。めでたしめでたし。

今回は"ZY12PD"を使用したため、使用前の電圧切り替えが必須となっております。難しい操作ではありませんが、何かのミスが発生する可能性は否定できません。

本当ならば、何も考えずにつなぐだけでOKなシンプル仕様にしたいところ。けれども、狙った電圧のみを出力できるトリガーデバイスを見つけることができません。もちろん、ゼロからフルスクラッチするほどのスキルもナシ。

雑誌Interface 2017年4月号に掲載されたロームのUSB PD評価ボード(BM92A13MWV-EVK-001など)では、狙った電圧のみを引っ張ることができるらしく、動作としては理想的です。ただ、レジスタの書き換えが必要らしく、製作時の手間は増えそう。

気が向いたら、完全版として手を付けてみたいと思います。まぁ評価ボードの販売価格次第ではありますが。



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