[Nexus7] USB ROMを試してみる
その方法はいくつかあるのですが、今回は確実そうなカスタムROMで行ってみようかと思います。
そこでピックアップしたのが"USB ROM"。その名の通り、USBホスト関連の機能が強化されたカスタムROMです。例えば、OTG接続のネイティブサポートでは、USBメモリをOTGケーブルで接続すれば勝手にマウントされ、読み書きが行えます。日本語ファイルも問題ナシ。
また、USB DACを接続すればすぐに認識され、USB DACから出力されます。もちろん、リブートは不要。さらに、USB DACを外せば本体のスピーカーから出力されます。
逆に言うと、USBホスト関連以外は特に変わった機能はなく、ベースとなった"CyanogenMod 10.1/4.2.2"と同等な感じとなっております。
ちなみに、"USB ROM"のインストールですが、上記ページでダウンロードしたzipファイルをカスタムリカバリ(CWMやTWRPなど)でフラッシュすればOK。...なのですが、zip本体にはgapps(Googleの主要アプリセット)が含まれておりませんのでご注意を。
フルワイプした状態だとGoogleアカウントにログインできず、もちろんアプリがないのでPlayストアも利用不可。なので、CM10.1ユーザ以外でインストールしようという方にはgappsも別途ダウンロードしておき、ROMと同時にフラッシュすることをお勧めします。
見た目の雰囲気や操作感はCM10.1そのものですが、"設定"の内に"USB HOST"というメニューが追加されます。
ここには"USB ROM"で追加された機能が集約されており、そのコントロールもここで一括して行えます。
まず注目したいのは、"Landscape UI"という機能。これをONにすると、Phablet UIで横画面にした際に画面右側に付くドックが、縦位置でも横位置でも画面下に固定されます。
なんでこんな機能があるのかというと「車載した際に使いやすいように」なのだとか。なお、この機能を有効にするとシステムバーがTablet UIと同等になるため、ホームアプリの変更により、ほぼTablet UIとして使用することができます。
続いて目玉機能である"USB AUDIO"。メニューには項目として登場しているのですが、グレーアウトしており変更はできません。あえてOFFにする意味もないので、これはずっとこのままかも。ウチにある2つのUSB DAC(PCM2704とPCM2706+ES9023)では、どちらも問題なくホットプラグ可能でした。
もうひとつの目玉機能が"USB HOST"。"Fixed installation mode"にチェックを入れると、Y字型のOTGケーブルを使ってUSBデバイスを使いながら"Nexus7"本体も充電することができます。当blogで言うところのOTGチャージ。この充電方法に関する概要は過去記事をご参照くだされ。
"USB ROM"では車のダッシュボードなどに埋め込んで使用(Fixed installation)することが想定されているので、そういう名前になっているようです。
そして、OTGチャージをさらに便利にしてくれるのが"Fast Charging USB host"機能。これを有効にすると、OTGチャージ時でも最大1800mAの大電流で充電することができます。
ただのOTGチャージではUSB接続とみなされ、電流が制限されます。このため、場合によっては供給電力よりも使用電力が上回ってしまい、充電しているのに本体内バッテリが減少するという事態が発生します。これを防止するのが"Fast Charging USB host"という訳であります。
ただし注意が2点。このオプションを使用するとバッテリにかなりの負荷がかかるため、寿命を縮める可能性があります。また、充電の際には余裕のあるUSB出力が必要不可欠。間違ってもPCのUSBポートに接続した状態でこれを使用してはいけません。最悪PCが故障します。
"Nexus7"にY字型ケーブルでUSBハブを接続し、そこにUSB DACとUSBメモリを挿した状態で充電したところ、30%→100%までで3時間31分でした。
純正のUSB-ACアダプタを使用した普通の充電では約3時間(30%→100%)なので、ほぼ同等と言えるかも。
USBハブはバスパワーで動作しているので、USBハブ+USB DAC+USBメモリの分の電力を消費していることになります。充電中は特に操作もせず放置状態でしたが、これぐらいパワフルに充電できるなら、USBデバイスを使用しながらでも大丈夫かと思われます。
急ぎ足かつザックリと"USB ROM"の機能をご紹介した訳ですが、USB DACのヘビーユーザーだったり、車のダッシュボードに"Nexus7"を埋め込んでしまおうとしている猛者だったりする方にはお勧めのカスタムROM。もちろん、OTGチャージを使い込みたいユーザにも最適です。
ただ、プロセッサのオーバー/アンダークロック、電圧変更などもできないので、チューニング目的には向きません。当方では、すっかりと環境を整えてしまったので、しばらくこのまま使ってみようかと思います。
コメント
FAUX123 には思わぬ不具合があります。USB デバイスは自動マウントできるのですが、アンマウント(手順に沿った)を行うと毎回フリーズし、強制電源 OFF を行うことになります。
お知恵をお借りして "grouper-faux123-kernel" をインストールしたいのですが、4.3 への対応は未公開です。インストールを急ぎたいのですが、良い方策はないでしょうか。
USB Audioをサポートしているという"Purified.Kernel_r133_grouper.zip"も試したのですが似たような状況でした。
この問題はAndroid4.3に起因するような気がします。あくまで想像ですが。
もしAndroid4.3が必須でないのならCM10.1まで戻してみることをお勧めします。