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液晶モニタを自作してみる

2016年5月1日  2016年5月30日 
あと少しで完成
液晶パネル筐体LCDコントローラと必要なパーツがそろったので、いよいよ組み立てです。ということで、17インチでフルHDなHDMI対応モニタを自作してみる企画の第四弾。一応の完結編です。

こちらの写真は、すでにLCDコントローラ基板の固定を終え、あとは液晶パネルを接続してベゼルを取り付ければ作業完了というところまで来ています。

けれども、ここに至るまでには紆余曲折がありました。LCDコントローラを変更したのも要因のひとつではあるのですが、そもそも筐体の精度が今ひとつで、細かな加工ならびに調整が必要となる始末。ざっと思い出しただけでも以下の作業を要しました。

・筐体のバリ取り
・IRレシーバと干渉する透明樹脂パーツの切削
・フラットケーブルの通り道を確保するためのリブ切断
・LEDインジケータの交換
・VESAマウント用にナットを追加
・LVDSケーブルの取り回し改善
・LCDコントローラ固定用ボスの新設

上から3つは主に筐体の加工なのですが、適当な道具が見つからず、ほとんどデザインナイフ1本で加工してしまいました。それでも何とかなったのは素材が比較的柔らかであったため。

LEDインジケータは、当初高輝度タイプの青/赤という無駄に眩しい仕様でした。これでは目にうるさくて仕方ありません。なので、これを外して一般的な緑/赤の2色LEDに変更しました。

VESAマウントに関しては、ナットが収まる六角穴は最初からあったものの、肝心のナットがありません。なので、M4のナットをはめてから脱落防止として周囲をグルーガンで固めておきました。

LCDコントローラと液晶パネルをつなぐLVDSケーブルは、束ねてしまうと厚みが出て液晶パネルと干渉するため、結束をバラしてフラット状にしてから液晶パネルに貼り付けました。

LCDコントローラの固定には、ボスと呼ばれるタッピングネジのガイド穴が空いた台座を使用します。上記写真でもいくつかのボスが確認できるかと。ところが、LCDコントローラを変更しているため、うまい具合に使えるボスがありません。

任意の場所にボスを新設
そこで用意したのがこちらの品。タカチ電機工業のASR型貼り付けボス"ASR-5"です。肉厚の両面テープで貼り付ければ、ちょうど良い位置にボスを新設できるという便利アイテム。

本来、コネクタの抜き差しなど力がかかる場所には向かない品ではあるのですが、ほかに良い方法が見つからず、とりあえずダメ元で使ってみた次第です。

割りとニッチな品ではありますが、電子パーツを扱うショップであれば入手は可能かと。もちろん、楽天市場Amazon.co.jp辺りでも購入は可能です。なお、基板の固定には別途タッピングネジが必要となりますのでご注意を。

これを使えば円満解決...とは行かず、"ASR-5"を貼り付けたい位置にジャマなボスやリブがあったりして、ボスの除去や"ASR-5"のカットが必要となりました。何とか貼り付けスペースを確保できたら、入念に脱脂して"ASR-5"をネジ止めしたLCDコントローラを筐体に固定。

結構強力な両面テープが使われているらしく、今のところ問題なく使えております。あとの作業は冒頭でも記述したとおり、液晶パネルを接続してベゼルをネジ止めするだけ。

そんなこんなで、やっと形になりました。とりあえず手近にあったWindowsタブレットを接続して拡張モニタとして表示させてみたのが以下の写真。

やっと完成
HDMIなので接続も簡単です。ほかにノートPCやBDレコーダ、PS3など接続してみましたが、HDMIケーブルを差し替えるだけで使用可能。実に便利です。

すべてをチェックした訳ではないのですが、スケーリングも適当に行ってくれる様子。PS3を接続して1080pから720pに変更した場合でもきっちり全画面で表示してくれました。

デザイン的にはベゼルが太かったり、スタンドがダサかったりするのはありますが、幅42cmというコンパクトなモニタは使い勝手も良好。計測してはおりませんが重量も軽く、ヒョイと片手で持って運ぶことができます。

LCDコントローラの"M.NT68676.2A"にはヘッドホン出力もあるため、ビデオソースやゲームも快適。電源投入時やステレオミニプラグの接続時にボスッというノイズは入りますが、使用時のホワイトノイズ的なモノはありません。音質を追求するコンテンツでなければ普通に楽しめる感じとなっております。

もちろん、欠点もあります。主に画質。今回使用した液晶パネルは6ビット仕様であり約26万色しか表示できません。なので、グラデーションがシマシマになるバンディングも目立ちます。

さらに、暗い階調の表現が苦手らしく、モノトーンのグラデーションに別の色が乗ってしまう偽色も発生。調整である程度はごまかせますが、ローコスト液晶パネルと汎用LCDコントローラの組み合わせには限界がある感じです。

また、バックライトは最大輝度で固定となっており、液晶シャッターの操作で対処する"なんちゃってブライトネス"仕様なのも困りもの。配線を変更してバックライト調整の有効化を試みたのですが、LCDコントローラのファームウェアによる対応が必要らしく、どうにもなりませんでした。

トータルコストも2万円を超えており、安価とは言い切れない感じです。これだけあれば、性能的にも画質的にも優れた市販のモニタが購入できるハズ。

どうしてもコンパクトなモニタが必要であるか、あるいはモニタの自作そのものを目的とするのであれば、それなりに有意義であるとは思われます。個人的にはどちらにも該当するため、自作が楽しめたのはもちろん、今後はメインのモニタとして役立ってくれそうです。



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